札幌市教委27年度全国学力・学習状況調査の実施報告⑤(市町村 2016-01-26付)
◆中学校数学
▼設問分析
▽「数学の勉強は好きですか」という質問では、肯定的に回答した割合が五四・四%(二十六年度五七・二%)となっており、全国平均を一・六ポイント下回っている。引き続き、数学的活動などを通じて、数量や図形などに関する生徒の興味・関心を引き出し、意欲を高める指導を工夫していくことが求められる。
▽「数学の勉強は大切だと思いますか」という質問では、肯定的に回答した割合が七八・九%(二十六年度七九・八%)となっており、全国平均を三・七ポイント下回っている。
実生活における具体的な事象との関連を図ったり、数学的活動の在り方を工夫したりするなどしながら、数学の価値や数学を学習する意義などが実感できるような授業をより一層工夫していくことが求められる。
▽「数学の授業の内容はよく分かりますか」という質問では、肯定的に回答した割合が七〇・一%(二十六年度七一・九%)となっており、全国平均を一・五ポイント下回っている。引き続き、生徒一人ひとりの学習状況を的確に把握することに努め、個に応じた指導を充実させるなど、指導方法の一層の工夫改善を図ることが求められる。
▽「数学ができるようになりたいと思いますか」という質問では、肯定的に回答した割合が九〇・一%(二十六年度九〇・六%)となっており、全国平均を一・四ポイント下回っているものの、全国と同様、高い割合になっている。
引き続き、生徒の「できるようになりたい」「分かるようになりたい」という情意面を、学びの土台となる学習意欲へつなげていく指導方法の工夫改善を一層進めていく必要がある。
▽「数学の問題の解き方が分からないときは、あきらめずにいろいろな方法を考えますか」という質問では、肯定的に回答した割合が六七%(二十六年度六九・二%)となっており、全国平均を一・四ポイント下回っている。引き続き、多様な見方や考え方を試しながら、解決への見通しをもって根気強く問題に取り組むことができるような指導方法の工夫が求められる。
▽「数学の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考えますか」という質問では、肯定的に回答した割合が三六・二%(二十六年度三八%)となっており、全国平均を二・八ポイント下回っている。
また、「数学の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか」という質問では、肯定的な回答が六六・七%(二十六年度六八%)となっており、全国平均を四・七ポイント下回っている。
数学と日常の生活や社会との関連をみるこれら二つの質問では、全国平均を下回っている傾向が、依然見られることは残念なことである。
数学的活動などを通して、数学が普段の生活の中で活用されている場面や社会で役に立っている場面との関連を一層図ったり、問題を解決する際に数学を利用する活動を積極的に取り入れたりしながら、数学の有用性を生徒一人ひとりに実感をもって気づかせ、感じ取らせることができるよう指導方法の一層の改善充実を図ることが必要である。
▽「数学の授業で問題を解くとき、もっと簡単に解く方法がないか考えますか」という質問では、肯定的に回答した割合が六六%(二十六年度六六・六%)となっており、全国平均を一・五ポイント下回っている。「数学の授業で公式やきまりを習うとき、その根拠を理解するようにしていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が六八・九%(二十六年度六九・七%)となっており、全国平均を一・二ポイント下回っている。
「数学の授業でも問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が七七・一%(二十六年度七八・八%)となっており、全国平均を三・五ポイント下回っている。
これらのことから、生徒に対しては一つの見方や考え方で満足させるのではなく、より効率的な見方や考え方を求めること、問題の解決に向け筋道を立てて考えた事柄をノートやプリントなどに表現させたり、根拠を明らかにしながら説明させたりする活動を積極的に取り入れることなど、指導方法を工夫することが一層求められる。
(市町村 2016-01-26付)
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