管理職の資質能力向上へ　函館市南北海道教育センターの教育経営研修会に７０人参加

（市町村 2016-01-27付）

課題解決能力を高めていく手法などを学んだ

　【函館発】函館市南北海道教育センター（加賀重仁所長）は二十日、函館市立函館高校で「新しい時代に対応する学校管理職マネジメント研修会」と題した教育経営研修会を開催した。函館市内の小・中学校長約七十人が参加。講義や演習を通じて、学校に導入した組織マネジメントの発想を質的に展開する必要性や、組織のリーダーとして、課題解決能力を高めていく手法などを学んだ＝写真＝。

　開講式であいさつに立った函館市中学校長会の高橋登会長は「研修会はもっとも大切な学校経営にかかわる知識、技能を高める絶好の機会。新任校長のみならず、すべての校長が初心に戻り、多くを学び、自校の教育実践に役立てていくことが何より大事」と述べ、実りある研修となることを期待した。

　講師を務めたのは兵庫教育大学の日渡円教授と、日渡教授をトップとする兵庫教育大学新時代対応学校管理職マネジメント研究会のメンバー十五人。

　日渡教授は「スクールリーダーのための課題解決スキル」と題して講義。中央教育審議会答申や教育改革国民会議最終報告にふれながら、組織マネジメントの発想を取り入れたり、教員集団をまとめていく校長のリーダーシップ、マネジメント能力が求められたりする政策的背景を説明。企業がもっているマネジメント力と、学校など公務員型のマネジメントにおける目標の違い、公務員型のマネジメントが量的展開の段階から質的展開に移りつつある状況を示した。

　また、「リーダーは、絶えず、しっかりと流れをふかんする能力をもつことが重要」とし、知識や技能の習得ではなく、個々の応用力に焦点を当てて考えるよう促した。

　さらに、校長や教育長のタイプとして、課題に対する行動について「維持」するタイプか「変革」するタイプかに、人に対する行動に関して「統率」するタイプか「調整」するタイプかに分類。大学の調査で「維持」「調整」タイプが全体の八割以上を占め、「変革」「統率」タイプが全体の二割ほどにあることを紹介し、「子どもたちを変えるのは教師。校長ではない。校長はリーダーであって脇役。主役の教師のパフォーマンスを上げさせる力を発揮してほしい」と述べていた。

　演習では、参加者が五～六人ずつ、十二のグループを編成し、議論中心の参加型研修会として進められた。参加者は、仮想の中学校をもとに、その学校の校長として組織づくり等に関することをグループで協議した。

　中では、情報収集の重要性や、収集する際や、課題の解決策を見いだす際の落とし穴、質の高い思考方法などを確認し、リーダーとして必要な応用力を高めていくポイントを学んでいた。

(市町村 2016-01-27付)