札幌市教委タブレット活用したＩＣＴ実証研究　各教科での活用例紹介　研究報告会で福井教諭

（市町村 2016-03-10付）

実証研究報告会

　札幌市教委の「二十七年度タブレット端末を活用したＩＣＴ実証研究事業」実証研究報告会（二月二十六日、札幌市立陵北中学校）では、陵北中の福井裕美教諭が発表した＝写真＝。タブレット端末の長所や短所、実践事例について紹介したほか、成果や課題も挙げた。

　同校のタブレット端末環境は、教員用Ｗｉｎｄｏｗｓ端末三十五台、職員室用無線アクセスポイント一台、映像転送機能付無線アクセスポイント二十九台、タイマー付充電保管庫二台となっている。

　福井教諭はタブレット端末の長所として、持ち運びが容易なほか、一台で資料作成や撮影、提示が可能なことなどと紹介。短所として撮影画像が粗いことや起動に時間がかかることを挙げた。

　実践事例では、各教科での活用例を紹介した。数学では表やグラフなどを拡大提示したほか、アニメーションコンテンツを活用。体育では自作資料の提示のほか、実技を撮影し、振り返りで再生した。

　教員アンケートでは、授業改善へ効果的と回答した教員が八割以上で、授業準備の効率化が図られたと回答した教員が六割以上いることを説明。授業での効果的な活用に向け、校内での情報共有やソフトウエアの充実を望む声が多いことも紹介した。生徒へのアンケートでは、タブレット端末の導入について、楽しい・わかりやすいと九割以上が回答したことを説明した。

　授業への活用の成果については、作成した教材の提示が簡単なことや、教室のどこにいても操作ができることなどを挙げた。

　また、課題としてデジタル教科書やソフトなどの教材が充実していないことにふれたほか、「教材研究のための時間確保が十分とれない」などと話していた。

(市町村 2016-03-10付)