道教組が第２９回定期大会開く　学ぶ喜び保障する学校へ　人事評価制度を学習―運動方針

（関係団体 2016-03-17付）

川村執行委員長があいさつし、教育の多様性の尊重を訴えた

　道教組（川村安浩執行委員長）は十二・十三日、札幌市内の北海道高校教職員センターで第二十九回定期大会を開いた＝写真＝。「子どもたちの〝命を大切にし、学ぶ喜びを保障する教育・学校づくり〟の取組を進める」「多忙化を解消し、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するため、労働時間短縮・諸権利を守る取組を進める」ことなどを盛り込んだ二〇一六年度運動方針を決定した。当面する課題には、「学校職員人事評価制度を学習し、協力・共同の学校づくりの観点で職場での合意を広げる」ことなどを掲げた。

　定期大会初日には、川村執行委員長があいさつ。「私たち教職員の責務は、〝子どもたちの今を守り、明るい未来を手渡すこと〟。その責務を十分果たすには、厳しい状況が続いている」と指摘し、「学校は、〝押し付け〟と〝画一性〟で覆い尽くされんばかり」などの現状を挙げた。

　また、「学校には、そもそも多様さがあるのが当然。そこからスタートする教育は、その多様さを認め、尊重し、その上で、共同をつくり上げていくもの」であり、「学校現場で、その先頭となって奮闘できるのが、私たち教職員組合の組合員」と述べ、今後一年間の活発な活動に期待を寄せた。

　議事に入り、執行部が二〇一六年度運動方針を提案した。

　運動方針では、具体的な運動の進め方として、「子どもたちの〝命を大切にし、学ぶ喜びを保障する教育・学校づくり〟の取組を進める」「子どもや教師から〝ゆとり〟を奪い、差別と競争の教育を進める改訂学習指導要領を批判的に分析し、すべての子どもが学ぶ喜びを感じ、生きる力が育つ教育課程・授業づくりに努める」「公務員賃金水準引き下げ・地域間格差拡大賃金・高齢層賃金抑制など、差別賃金や教職員人事評価制度に反対し、民主的公務員制度の確立、公務員・教職員賃金改善を目指す」「多忙化を解消し、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するため、労働時間短縮・諸権利を守る取組を進める」ことなどを掲げた。

　当面の重要課題には、「学校職員人事評価制度を学習し、協力・共同の学校づくりの観点で職場での合意を広げよう」「春の組織拡大・強化で大きく前進しよう」など四点を挙げた。

　討論では、「平和や戦争を語ることが〝偏向〟とされたり、アレルギーや萎縮、忖度によって、学校はものを言えなくなっている。平和な社会の形成者を育てる教育を担う役割を自覚し、どのように、これらの動きに抗するかを考えなければならない」「教職員の健康と安全は自分自身で守るもの。自分だけではできない。職場全体で行わなければ」「子どもの発達を無視し、地域や家庭の状況を考慮せず、教育を破壊し、地域や学校を破壊する動きが進んでいる。その中で、組合の役割はますます大きくなっている」などの意見が出た。

　また、再任用者を採用するため、期限付教員が契約を継続されない状況があることを報告し、「現行の再任用制度の最大のねらいは、世代間の分断にある。それを乗り越え、団結していこう」と呼びかける声もあった。

　運動方針等は、全会一致で決定した。

(関係団体 2016-03-17付)