札幌市小学校長会経営研修部　問題解決的学習に重点、９割以上の学校で　教育課程編成等の調査結果

（関係団体 2016-03-16付）

　札幌市小学校長会専門部の経営研修部は、教育課程編成・実施・評価等に関する調査の結果をまとめた。「学ぶ力の育成」「豊かな心の育成」「健やかな身体の育成」「知・徳・体の調和のとれた子どもを育てること」に関する二十の質問項目について分析した。その結果、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを生かす力を育むため、「問題解決的な学習に重点を置く」学校が九割以上だった。体力向上では、挑戦カード内容の工夫や体力テスト等の記録の活用、授業内容の工夫を挙げる学校が多かった。

　調査対象は、市内全小学校。「学ぶ力の育成」「豊かな心の育成」「健やかな身体の育成」「知・徳・体の調和のとれた子どもを育てること」に関する二十の設問の結果を分析した。

　学ぶ力の育成では、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを生かす力を育むため、「問題解決的な学習に重点を置く」学校が九割以上だった。

　また、学校・家庭が一体となった学習の習慣づくり・環境づくりのため、「家庭学習による自ら学ぶ習慣づくり」を重点にした学校の割合が七七・七％と最も高く、「家庭に学ぶことの意義や大切さを発信」が五七・九％だった。

　校長会では、「学ぶ意欲と思考力、判断力、表現力などを生かす力の育成に重点を置き、問題解決的な学習を進めようとする学校が多いことが分かった。学んだ力の育成や学ぶ習慣づくりについては、これからも家庭との連携がさらに強まり、各校での様々な発信が工夫されるだろう」と期待している。

　豊かな心を育む上で、特に重点を置く取組では、「基本的な生活習慣の指導」が九二・六％、「支持的学級づくりやいじめ防止・命を大切にする指導」が六八・三％、「児童の自己有用感や達成感を高める指導」が六三・四％の順に高かった。

　健やかな身体を育む上で、特に重点を置く内容は、「休み時間のグラウンドや体育館遊びの奨励」が八一・二％と最も高く、「体育館やグラウンド等、運動しやすい環境の整備」が五八・四％だった。

　体力向上の取組として自分の伸びを実感して新たな目標をもてるようにするため、「挑戦カード内容の工夫」「体力テスト等の記録の活用」「授業内容の工夫」を挙げている。

　校長会では、「各校で大切にしている教育活動とつながりをもたせ、実態を踏まえた取組を行っていることが分かった。また、空間・時間・仲間づくりにおいて、従来あるものを生かした取組が進められている」とみている。

　また、調査結果を通して、「校長として、明確な学校経営ビジョンのもと、教職員一人ひとりの意欲を引き出しながら、意識の高まりを学校の力として束ねていくことがさらに求められる」とまとめている。

(関係団体 2016-03-16付)