稚内市教委の教育行政執行方針―井上委員長説明 土曜授業 新たに4中学校で導入 子の貧困対策で連携会議設置(市町村 2016-03-31付)
稚内市教委・井上幹雄委員長
【稚内発】稚内市教委の井上幹雄教育委員長=写真=は三月上旬、市議会定例会で教育行政執行方針を説明した。土曜授業について、すでに実施している稚内中学校の実績を踏まえ、新たに四つの中学校に導入することを発表。放課後児童対策としては、ことし六月オープンの南地区活動拠点センターに児童館・学童保育所が併設されることを受け、地域ぐるみの子育て支援を行う拠点として家庭・学校・地域が連携し、子育て支援の充実を図っていくことを説明した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼はじめに
本市においては、学校・家庭・地域が一体となった「市民ぐるみの子育て運動」が展開されており、市民ぐるみの子育て運動を継続し進化させていくことが、本市の創生に寄与できるものと確信し、教育行政を進めていきたい。
▼家庭教育
すべての子どもたちが、安全な環境で安心して適切な教育を受け、健やかに成長することができるよう、二十八年度から子育てファイル「あゆみ」を導入する。保護者が子どもの成長を記録し、子どもたちにかかわる関係機関と共通理解を深めるために活用をお願いしたい。
貧困問題について、本市では、昨年から他市に先駆け「子どもの貧困対策本部会議」を設置し、多くの関係機関からなる「子どもの貧困対策プロジェクト会議」において調査研究を進めてきた。二十八年度は、新たに「市教育連携会議」を設置し、引き続き貧困対策の取組を強化していく。
また、いじめや不登校についても、学校・家庭・地域が連携し、課題を共有しながら解決に向けた取組を推進していく。
放課後児童対策の充実としては、ことし六月にオープンを予定している南地区活動拠点センターに児童館・学童保育所が併設され、地域ぐるみの子育て支援を行う拠点として家庭・学校・地域が連携し、子育て支援の充実を図っていく。
▼学校教育
二十八年度から、改訂「市学校教育推進計画」がスタートし、「学校教育推進の基本理念」が明確化される。この中には、稚内のすべての学校が「確かな学力・豊かな心・健康な体」のバランスのとれた「生きる力」を着実に育むこと、九年間を見通した効果的な指導として小中一貫の重要性も明記している。
学力向上の取組に関しては、小学校一、二年生における少人数学級の実施や、小学校三、四年生を対象にした放課後学力グングン塾による基礎学力の定着についても引き続き取り組む。
土曜授業についても、すでに実施している稚内中の実績を踏まえ、本年度から、新たに四つの中学校で学ぶ意欲を高める取組として導入する。
また、外国語指導助手による小学校での外国語活動や中学校における英語授業および特色ある教育活動を進めるための「夢広がる学校づくり推進事業」を二十八年度も継続していく。
特別支援教育については、近年、支援が必要な児童生徒が増加していることから、大きな課題であることを踏まえ、取組を強化していく。
また、学校給食の提供についても、地元の食材を積極的に取り入れることにより、安全・安心を確保するとともに、食への感謝と郷土への愛着心を深め、発育期における児童生徒の健康増進と体位の向上を図り、保護者の負担軽減として給食費の助成を継続していく。
稚内北星学園大学は、稚内地域の教育水準の向上や地域社会の発展に大きく貢献し、これまで優れた人材を社会に輩出してきている。二十六年度には、文部科学省の「地の拠点整備事業」に採択され、地域に根ざした「地域教育力の向上」や「まちづくり」に取り組み、本市の高等教育機関として、また、若者が定着する拠点として存在感を高めている。
このように、教育機関としてのみならず、地方創生においても大きな役割を果たしている大学への支援を強化していく。
▼社会教育
第八次社会教育中期計画において目標に掲げる「つながり」を意識し、子どもたちが人として育つための土台づくりに取り組み、併せて、安心して暮らせる環境づくりを進め、大人も生きがいをもち、それぞれが主役となれるよう、学習機会の充実に努め、高齢者の豊かな知識や経験を次世代へと伝えられるよう取組を進めていく。
市立図書館については、二十八年度に策定される「第二次市子どもの読書活動推進計画」に基づき、子どもたちが本と出会い、知識を深め、豊かな心を育むための読書環境づくりを基本理念に、子どもたちの読書活動の取組を推進していく。
(市町村 2016-03-31付)
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