倶知安町教委の教育行政執行方針―田中教育長説明　特色生かした英語教育検討　支援を要する児童生徒に配慮

（市町村 2016-04-01付）

倶知安町教委・田中洋子教育長

　【倶知安発】倶知安町教委の田中洋子教育長＝写真＝は三月上旬、第一回町議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。英語力向上については、本町の特色を生かした英語教育の充実に向け、検討協議を進める。西小学校に情緒学級、倶知安中学校に言語障がい児学級を新設し、支援を必要とする児童生徒の状況に配慮した対応を図っていく考えを示したほか、学習支援員を一人増員して十二人とすることなどを明らかにした。

教育行政執行方針のうち、「学校教育の充実」の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成

　二十六年度から取り組む道教委「学校力向上に関する総合実践事業」については、二十八年度も取り組み、教育課程や指導方法、地域・家庭との連携、人材育成や学校マネジメントなど、包括的な学校運営の充実に向け、学校と連携しながら事業を推進する。

　学級編制状況については、倶知安中の新三年生は、国の基準では三学級となることが想定されているため、町独自で臨時教員を任用し、四学級編制維持のまま新学期をスタートさせる。

　特別支援学級は、西小に情緒学級、倶知安中に言語障がい児学級が新設される予定となっており、支援を必要とする児童生徒の状況に配慮した対応を図る。

　学習支援員については、一人増員の十二人体制により、特別支援学級・通常学級に在籍しながらも支援を必要とする児童生徒への対応を図る。

　倶知安小学校に設置されている「ことばの教室」は、本町のほか近隣八町村からの児童が通級による指導を受けており、今後は京極町の「学びの教室」とも連携しながら指導体制の充実に取り組む。

　英語力を強化する連携事業については、町内の全小中高の教員間、児童生徒間での交流や連携を通して相互理解を深めつつ、本町の特色を生かした英語教育の充実に向け、検討協議を進める。

　外国人児童の転入に伴う指導体制については、緊急派遣通訳者を任用した中で、授業時の通訳業務をはじめ、取り出し授業における個別指導等の対応を図る。

▽豊かな心と健やかな体の育成

　いじめの防止に関する条例や基本方針に基づき、学校・家庭・地域と連携しながら、いじめの根絶に向けて取り組む。

　学校保健事業については、「北海道歯・口腔の健康づくり８０２０推進条例」に基づくフッ化物洗口を、保護者の希望制により実施する。

　子どもたちの体力向上については、昨年度「体力向上先導的総合実践事業」として道から指定を受けたことによって、学校、教育委員会が連携した中で、各種スポーツ教室やスポーツ大会を開催するなど、地域資源を活用しながら体力向上に向けた取組を実施してきたが、これらの取組は継続して推進していく。

▽教育環境の整備・充実

　小学校では、東小学校の一部外壁補修、西小の非常警報機サイレンの更新を図り、子どもたちの安全面の確保を図る。

　現在建設中の学校給食センターは、地産地消食育推進施設として、ことし十月末の竣工、二十九年四月の本格稼働に向け諸準備を進める。

(市町村 2016-04-01付)