佐呂間町教委の教育行政推進方針―香川教育長説明　ＩＣＴ環境整備など検討　学力向上へ学校間連携強化

（市町村 2016-04-05付）

佐呂間町教委・香川健一教育長

　【網走発】佐呂間町教委の香川健一教育長＝写真＝は三月上旬、第一回定例町議会で、二十八年度教育行政推進方針を発表した。学力向上にかかる教職員の資質向上のため、各種研修会の参加奨励や、ＩＣＴ環境の整備を検討することを表明。二十八年度も各学校において、それぞれのチャレンジテストを実施すると説明した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成

　子どもたちの学力は、全国学力・学習状況調査の結果からも向上しつつあるものの、家庭学習の時間が短いなど学習習慣の確立に課題があり、引き続き家庭学習の習慣化、長期休業中の学習サポートの実施とともに、各学校でそれぞれチャレンジテストの活用や学習規律の指導に努める。

　また、学力向上は教員の資質によるところが大きく、各種研修会への参加奨励、指導主事の要請訪問など、組織として教員の指導力向上に努めるとともに、ＩＣＴ環境の整備について検討する。

　さらに、その学力を向上・継続させていくため、小中高の学校間連携強化を図り、それぞれの学校において教員が専門性を発揮し、より実践的な教育が継続して行われるよう基盤整備に努めるとともに、中学校に町採用教員を配置するなど、確かな学力を育む教育活動に向け、学校・家庭・地域・行政が課題を共有し、社会全体で取り組めるよう環境を充実していく。

▼心身の健やかな成長を促す教育の推進

　昨年の全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、体力合計点が中学校男女は全国平均を上回ったものの、小学校は男女ともに全国平均を下回った。この要因として、冬場に運動が制限されることなどが推測されるところであり、学校生活はもとより家庭生活においても、子どもたち自らが進んで運動を行う習慣の定着と生活リズムを整えることが必要となっている。

　二十八年度もすべての学年で新体力テストを実施し、町の子どもたちの課題を踏まえ、一人ひとりの健やかな体の成長を目指して「知・徳・体」のバランスの取れた教育を推進する。

▼特別支援教育の充実

　二十八年度も、浜佐呂間小学校を除く学校に特別支援学級を継続して設置する予定。

　また、普通学級に在籍しながらも特別に支援を要する児童生徒が増えている現状から、二十八年度も引き続き、すべての小・中学校に特別支援員を配置し、児童生徒個々に応じたきめ細やかな支援を行うことにより、自立や社会参加に向けた指導を行っていく。

　さらに、会話や発音など一部言語発達に関する遅滞を有する児童のために、引き続き佐呂間小学校に「ことばの教室」を開設し、個に応じた児童の支援に努めていく。

(市町村 2016-04-05付)