東川町で農村体験交流フォーラム 農家民泊の可能性探る 修学旅行での導入事例など紹介
(関係団体 2016-04-06付)

農村体験交流フォーラム
取組紹介やトークセッションを行った

 【旭川発】体験学習に農家民泊を!―。ひがしかわ子ども農村体験交流推進協議会主催の「農と食と人と地域をつなげる〝農村体験交流フォーラム2016〟~学校はいま農山漁村のもつ教育力を求めている」が三月二十五日、東川町キトウシ森林公園内の森林体験研修センターで開かれた。新潟県胎内市前教育長の小野達也氏、兵庫県宝塚市の雲雀丘学園高校の松石昇教頭がそれぞれで取り組んでいる農家民泊の取組を紹介。また、両氏を交えたトークセッションを行い、農山漁村での体験活動の大切さを確認した。

 近年、子どもたちの学習意欲や自立心、力強い成長を支える教育活動として、農山漁村での宿泊活動(民泊)が注目を集めている。国が推進する「子ども農山漁村交流プロジェクト」をはじめ、教育旅行に民泊を導入した学校が増加。東川町では、同協議会が中心となって、二十四年度から雲雀丘学園高校などをはじめとした修学旅行生の民泊を受け入れている。

 フォーラムは、民泊情報の発信をはじめ、農村の役割や価値について可能性を探ることをねらって開催。今回で二回目となる。

 はじめに、小野氏が「教育現場はいま農村体験を求めている~子どもも地域も農家民泊で大きく成長する」と題して講演した。

 小野氏は、稲作を基幹産業としている胎内市では、少子高齢化による離農者の増加、人口減少などの課題を抱えていることを紹介。児童生徒の郷土愛や人間関係形成能力を育むため、ふるさと体験学習の一環として民泊を取り入れたことを説明した。

 導入に当たっては、総合的な学習の時間を中心に、他教科と関連したプログラムを企画。受入先となる農家との連携強化などにも努めたことを報告した。

 小野氏は「子どもの体験の場を地域全体で用意することが大切。子どもが経験不足ならその親も経験不足。民泊はすべての世代が経験を積むことができる」と説いた。

 つぎに、松石教頭が「修学旅行で農家民泊(ファームステイ)を行う理由」について講話した。同校では、「日ごろできない、そこでしかできない思い出に残る旅行にしよう」と、十七年度から修学旅行で空知・旭川地区での民泊を実施。生徒から好評を得たため、一泊二日の日程を二十五年度から二泊三日に拡大したことを紹介した。

 「民泊ではコミュニケーション能力の向上で大きな効果を期待できる。東川町での学びは生徒にとって〝本物の学び〟となっている」と述べていた。

 このあと、両氏に加え、NPO法人大雪山自然学校代表の荒井一洋氏、同協議会事務局の中田浩康氏が、「子どもの未来×農村の役割」をテーマにトークセッションした。

 同協議会では、「農村体験を通して子どもたちが学べることは多い。フォーラムを通し、民泊のさらなる充実と農村活性化につながれば」と期待している。

(関係団体 2016-04-06付)

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