豊富町教委の教育行政執行方針―小野寺教育長説明　特別支援教育の体制強化　園児に子育て支援ファイル配布

（市町村 2016-04-15付）

豊富町教委・小野寺英治教育長

　【稚内発】豊富町教委の小野寺英治教育長＝写真＝は、第一回町議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を発表した。特別教育の推進に向けて、昨年度策定した「子育て支援ファイル」を、本年度は保育園児から配布し、適切な教育を行う支援体制の強化を図ることを説明した。また、校種間の円滑な連携のもと、進学時のつまずきをなくす対策を継続していくことにも言及した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼生きる力を支える確かな学力の定着

　各学校が取り組む標準学力テスト等で全学年の結果を分析し、その課題を把握し、必要な対策を重点的に取り組む。全国学力・学習状況調査の結果も分析し、「学力向上プラン」に反映させ、指導計画の改善・充実や、学習意欲を喚起させる。また、保護者と連携してスマホやゲームの使用時間を児童生徒が自ら考える仕組み、課題解決的な学習を通して家庭と課題意識を共有した取組によって、生活習慣・学習習慣の確立を目指す。

　特別支援教育の推進については、本年度、「子育て支援ファイル」を保育園児から配布し、個々に応じた適切な教育を行う支援体制を強化するとともに、校種間の連携を進めていく。

▼生きる力を支える豊かな心と健やかな体の育成

　道徳教育の充実や読書活動の推進、体験的な活動の充実を通して、豊かな心を育んでいく。

　食育の推進については、家庭や地域と連携して、「早寝・早起き・朝ごはん」運動を推進し、健全な食生活を実践できるよう食育を推進していく。

▼期待され、信頼される学校づくりの推進

　学校評価を実施するとともに、児童生徒の個性と能力を最大限に伸ばしつつ、学校種間の円滑な接続と連携を推進し、進学時のつまずきをなくす対策を推進する。また、へき地・小規模の良さを生かした教育や主体的な学習の充実と学校ビジョンの実現を目指す校内研修、授業研究を中心とした教員の指導力向上など、実態に即した創意と活力のある学校づくりを推進する。

　豊富高校については、地域で唯一の高等教育の場として重要な機能を果たしており、地域経済に及ぼす影響にも大きなものがあることから、生徒目線での「魅力ある高校」とはどのようなことかを解明し、町としてどのようなことをすべきか研究しながら、従来の通学費助成などの対策を継続していく。

▼未来の豊富をつくる人づくり・地域文化の創造

　放課後などに子どもが安心して活動できる場の確保を図ることが必要。スクールガードを中心に、町民の協力を得ながら、登下校時の立哨・巡回などに力を入れていく。また、学校支援地域本部事業を継続実施するほか、放課後などにおける児童の安全な居場所づくりのため地域総ぐるみの教育活動充実に努めていく。

　家庭教育は、人間形成の基礎を培う上で重要な役割を担っており、また、学力向上には家庭での学習習慣の取組が不可欠。これらの取組を一層進めるため、「家庭教育支援チーム」によって、すべての親に対し子育て支援や相談、講話など家庭教育支援の活動を推進する。

(市町村 2016-04-15付)