礼文町教委の教育行政執行方針―岩城教育長説明　土曜教育の参加対象拡大　放課後教室の希望者全員を受入

（市町村 2016-04-18付）

礼文町教委・岩城修教育長

　【稚内発】礼文町教委の岩城修教育長＝写真＝は、第一回町議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を発表した。土曜教育推進事業について、本年度より参加対象を未就学児童まで拡大することを説明。また、「放課後子供教室」については、本年度、開催場所を学校施設に移行し、夏休み、冬休みなどの学校長期休業中にも、参加を希望するすべての児童の受入を行うなどの実証的な運営を行い、早期の完全実施に向けた条件整備を整えることを強調した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▽学校教育

　全国学力・学習状況調査や体力・運動能力等に関する調査の結果を踏まえ、課題やこれまでの取組を検証し、「確かな学力の向上」や「運動習慣、生活習慣・食習慣の改善」について、各学校において策定している「学校改善プラン」などにより、その推進に努めていく。

▽読書と保健、給食環境の充実

　自校調理方式で提供している給食については、増加傾向にある食物アレルギーをもつ児童生徒への給食に対して、適切な対応を行うため「学校給食における対応の手引き」を作成し、事故防止に万全を期するとともに、子どもたちの食に対する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けるため、引き続き「食育授業」を推進していく。

▽礼文高校の支援事業

　地域の教育・まちづくりにおいて、大きな役割を担っている礼文高校については、高校が進める「魅力ある学校づくり」を支援するため、引き続き「通学生徒へのバス運賃の助成」「各種検定試験受検料の助成」「海外交流事業」を実施する。ここ数年、入学者が十人を割り込んでいる状況にかんがみ、町外からの入学志願者確保をも視野に入れた「魅力のある礼文高校の在り方」について、引き続き有識者委員会を設置し、検討を重ねていく。

▽社会教育

　本町では、ＡＬＴ担当職員を独自採用し、これまで小・中学校や保育所等へ派遣を行っている。こうした本町の特徴を最大限に活用し、海外交流事業参加生徒への英会話レッスンや幼児期から英語にふれる環境の創出を効果的に行うなど、幼少期から高等教育期へと切れ目なく英語を学ぶ機会の提供に努めていく。

　また、香深・船泊両地区に開設している「放課後子供教室」は、子育て世代の就業支援という要請の高まりを受け「礼文町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の「子育て支援の充実」における重要施策に据えられたところでもあり、将来的な全日受入を視野に、地域おこし協力隊制度等を活用しながら計画的に拡充を図っていく。本年度においては、各地区週三回の開催に加え、開催場所を学校施設に移行させながら夏休み、冬休みなどの学校長期休業中にも、参加を希望するすべての児童の受入を行うなどの実証的な運営を行い、早期の完全実施に向けた条件整備を整えるとともに、教育分野における雇用の創出にもつなげていく。

　国が実施する「土曜日の教育活動推進プラン」と連動して行っている土曜教育推進事業については、本年度より参加対象を未就学児童まで拡大し、引き続き地域の人材や資源を活用して実施していく。

(市町村 2016-04-18付)