道小・道中・道公教が道教委に文教施策要望提出　教育条件の整備・改善を　道小・道中が教育の質向上へ提言も

（関係団体 2016-05-16付）

道教委・梶浦学校教育監（写真左）に要望書を手渡し、本道教育の充実に向けた５点の柱の実現を求めた

　道小学校長会・道中学校長会・道公立学校教頭会は十三日、道教委に対して、「北海道文教施策・予算策定に関する要望書」を提出した。道小の松井光一会長、道中の赤岩輝雄会長、道公教の森田智也会長が道教委を訪れ、梶浦仁学校教育監に要望書を手渡した。道小と道中は、要望書の中から特に、授業改善やチームとしての学校の構築に向けた条件整備について取り上げた「新しい時代を見据えた本道教育の質の向上についての提言」を併せて提出。体験的な活動等を充実させるための予算確保、教員の研修参加への環境づくりの促進、小学校専科教員の増員および中学校における免許外担当の解消、三十五人以下学級の実現などを求めた。

　要望書は、二十九年度の文教施策・予算策定に当たり、①学校経営の一層の充実と教育課程の推進および教育条件の整備・改善②教職員の資質の向上を図る研修の促進と内容の充実、強化③意欲をもって職務に専念できるよう、教職員の地位および待遇の改善④教職員の福祉および再雇用や退職後の生活安定の確保⑤国、道の施策として関係諸機関への働きかけの要望―の五つを柱に提示。

　①では、「生きる力」を育む教育課程の編成・実施・評価・改善に向けた道独自の条件整備を要望。「授業時間数の増加に見合った教員数の確保」「英語・理科等の専科指導のための正規教員の加配や講師の人的措置」「ＩＣＴ機器の整備・拡充」「武道必修化に伴う武道場や防具の整備」を求めた。

　さらに、特別支援教育に関しては、通常の学級における特別支援教育支援員の拡充と待遇向上、特別支援コーディネーターの専任制と専門性向上の体制整備などを要望。へき地・複式校、小中併置校、小規模校においては、「教頭の担任解消」「小学校一・二年生の複式学級解消、事務職員の加配」「研修の充実」など、教育条件整備の必要性を強調した。

　②では、教員免許更新時講習・十年経験者研修対象者が複数いる学校への柔軟な対応、若手教員の実践力向上を図る施策の充実。③では、校長定年延長の早期実現、校長採用・教頭昇任の意欲を喚起する条件整備、職責に見合った管理職手当支給基準の改善。④では、メンタルヘルス対策への配慮などを盛り込んだ。

　一方、道小と道中が共同で提出した「新しい時代を見据えた本道教育の質の向上についての提言～チーム北海道として」は、授業改善およびチームとしての学校の構築に向けた条件整備の必要性を訴えた。

　授業改善のためには、これから求められる授業の在り方の普及・啓発、授業力向上に向けた研修の充実が必要とし、次期学習指導要領を円滑に実施するための施設・設備・教材の整備拡充および学習の在り方等の普及・啓発、体験的な活動を充実させる予算確保、教員の研修参加への環境づくりの促進などを求めた。

　「チームとしての学校」の構築については、主幹教諭の配置促進、小学校専科教員の増員および中学校における免許外担当の解消、三十五人以下学級の実現、部活動の指導や引率等を行う「部活動指導員」の導入、保護者対応や学校事故での問題解決を支援する「弁護士ネットワーク」の導入などを提案した。

　要望書と提言を受け取った梶浦学校教育監は、後日回答する意向を示し、「本道の子ども一人ひとりを育てていくため、校長会や教頭会と連携を深めて取り組んでいきたい」と述べた。

(関係団体 2016-05-16付)