本道の教育に責任もって 道小学校長会総会・研修会で松井会長あいさつ
(関係団体 2016-05-16付)

道小総会松井会長あいさつ
あいさつする松井会長

 九日に開かれた道小学校長会の第五十九回総会・研修会における松井光一会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。

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 道小学校長会は、「正論を以て、正道を歩む」という理念のもと、校長の職能の向上と本道教育の振興を図ることを目的に半世紀を超える活動を展開してきた。

 来年度は六十周年の節目を迎えることになるが、二十九年度は、くしくも政令指定都市への税源移譲が行われる年度である。その年に道小六十周年が重なることも、新たなる道小の出発ととらえ、組織の在り方を中心に、改革していかなければならないと思っている。

 幸い、前札幌市小学校長会長の北本義和氏、本年度、札幌市小学校長会長の渡辺元氏をはじめとする、札幌市小学校長会の皆さんには、昨年度から、市小の立場を、道小の一員として全連小に加盟し、本道の子どもたちのために活動していくことを表明してくださっている。

 この税源移譲の変革を機に、あらためて、市小との関係を問い直すためにも、道小としての組織の在り方検討委員会を、昨年度に引き続き、本年度も早期に立ち上げ、検討するとともに、道小が、札幌市を含めた本道の校長に、その存在感をもっと認めていただけるよう活動していきたいと思っている。

 諸先輩の皆さんが築き上げた業績や教育に対する熱き思いを真摯に引き継ぐとともに、地区校長会との連携と結束のもと、本道教育の質の向上を目指して、ますます発展していくよう、昨年から道内の校長が三十一人減少となったが、全道一千五十八人の会員の皆さんとともに、全力を尽くす所存である。皆さんの指導と支援を心からお願い申し上げる。

 さて、三十年に全国連合小学校長会いわゆる全連小の全国大会北海道大会が函館市において行われる。もう二年後に迫っているが、函館地区の皆さんを中心に、順調に準備が進んでいる。その函館市小学校長会では、毎年『教育春秋』という校長会会誌を作成されているが、昨年度の会誌の中に、函館市立東山小学校の嶋田聡校長の文章が掲載されていた。行政経験が長く、道教育大附属函館小でも研究をされていた嶋田校長が、スマホのコマーシャルでよく知られる三太郎(桃太郎・金太郎・浦島太郎)になぞらえ、「金太郎のチームワーク、桃太郎の組織力、玉手箱を開けた浦島太郎のように時代遅れにならずに…」という校長の精神を表現しておられた。

 この三太郎のたとえは、道小の校長の立ち位置として参考になる。

・金太郎のように、校長としての自己研鑚を積み、仲間の力を高めながら、どんな強大な相手にも、ルールの中で、正々堂々向かっていくパワーをもち、

・桃太郎とその仲間のように、事務職員をはじめ教職員はもちろん、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの各種専門家を含めた、チームとしての学校を組織し、チームワークよく活動し、

・浦島太郎のように、困っている人たちを助け、未来を予測し先取りしていく。

 道小が、昨年から使用している「未来を見据え、チーム北海道として進む道小」というキャッチフレーズや考え方と同じであると思った。

 北海道の各地区で、この三太郎のたとえのように、新しい学校の創造に向かって突き進んでいく、校長を中心としたチーム学校がさらに増えていくことを期待している。

 今後、さらに「教育改革」の加速度が増していくと予想される。ある意味、追い風が吹いているともいわれているが、学校現場では、変わらず生徒指導や保護者対応に追われ、多忙で余裕のないのが現状である。

 このような中、教育改革の荒波に流されてしまうことのないよう、道小学校長会は、道中学校長会との強い連携のもと、昨年度と同様に道教委への「提言書」を作成した。本道教育の質の向上のためには、「授業改善」と「チームとしての学校」の構築に向けた条件整備が必要であるという提言内容である。

 そのために、本年度も道小学校長会と道中学校長会が、道教委、道都市教育長会、道PTA連合会をはじめ、教育関係他団体の皆さんや民間教育団体等と協働し、未来を見据えた視点から、子ども像や目標を共有し、それぞれの立場からの活動と合わせて、「チーム北海道」としての意識を強くもって進んでいくことが大切であると主張している。

 今週末には、要望書とともに、道教委へ提言書を提出する予定である。

 終わりに、あらためて道小は、「未来を見据え、チーム北海道として進む道小」をキャッチフレーズに掲げ、本道教育の具体的な問題や課題に対して積極的に取り組み、子どもたちの成長と本道の教育に責任を持つ校長会として、全道の校長と二十八年度の活動を推進していきたいと考えている。

(関係団体 2016-05-16付)

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