教育全体見通した運営を 道公立学校事務長会第41回総会等で永井会長あいさつ
(関係団体 2016-05-31付)

道公立学校事務長会総会
あいさつする永井会長

 道公立学校事務長会の二十八年度第四十一回総会・研究協議会(三十日付1面既報)では、永井進会長=写真=があいさつに立ち、人材育成、就学支援金・授業料徴収事務、事務改善に関する取組など三点について、概要つぎのとおり述べた。

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 四月十四日、十六日に熊本地震が発生した。犠牲となられた方々に、心から哀悼の意を表すとともに、被災された皆さんには心からお見舞いと一日も早い復興をお祈り申し上げる。

 二十七年度の事務長会の活動については、計画どおり進めることができた。会員の皆さんには、この一年間の支部活動や本部への支援と協力に感謝申し上げる。

 さて、私から本年度の課題も含め、三点について申し上げる。

 一点目は、人材育成についてである。

 本年度、道立行政職員の役付職員への再任用制度が導入され、七人の再任用事務長が発令となった。新任事務長は二十九人で、事務主任から十七人。支援室主査も含む事務局から十二人であった。

 また、事務長会の悲願であった事務長全員が管理職手当の該当となったこと、「等級別基準職務表」が定められたこと、代表校・中心校の見直しも含め、事務長会が、二十五年十一月にまとめた「事務長および事務主任候補者の人材発掘・育成に関する提言」の中で示していた、再任用事務長制度、給与面での待遇改善が実現された。

 これをもって、単純に事務長を希望する者が増加するというものではないが、「チームとしての学校」の答申においても、「国は、事務職員の職務規定等を見直し、事務職員が学校における総務・財務等の専門性を生かし、学校運営にかかわる職員であることについて法令上、明確化することを検討する」とされており、今後、注視したいと思う。

 事務長がより魅力ある存在となるため、自らが資質向上に努力するとともに、部下職員とのコミュニケーションや適切な助言・指導などを通して、事務職員に希望を与えることができたらと考える。本部においても、研修機会の確保のために研修の方法も含め研究してまいりたいと考えている。

 二点目は、就学支援金・授業料徴収事務についてである。

 昨年度、就学支援金の届出事務に時間を要したことを理由に、授業料の入力を怠り、授業料の徴収が行われていない、誤って徴収した授業料の還付を行っていないなど、職務遂行を怠った職員が処分された。事故としては個人に問題があったかもしれないが、事務室内で相互けん制が無かったことが非常に残念である。

 事務長として、授業料徴収者数、就学支援金の認定状況、口座振替不能者の収入状況、授業料処理一覧と就学支援金認定簿の照合などチェックをすることで防げた事項と考える。

 また、本年度は就学支援金の対象が全学年となることから、業務の進行管理を行い、担当者のみに任せるのではなく、組織としての対応をお願いする。

 三点目は、事務改善についてである。

 昨年度、各支部において「事務改善の現状と課題から改善策を探る」というテーマで議論いただき、調査研究推進委員研究協議会に意見を提出いただいた。現状を変えようとする前向きな意見が多数あったことで、現状に課題ありと強く感じた。

 あすの研究協議において、「学校事務の進化を目指して」と題し、全国事務長研究協議会に向けてのプレ発表をする。都立高校の状況を調査するなどして、本道の進むべき道を探っている。

 都立高校では、業務集約後、事務室のパソコンは事務センターの端末機能を備え、人事、財務、財産事務、ほかに研修もオンデマンドで行うなど、すべてがパソコンで行えるシステムが構築されているようである。道は業務集約前と後で事務室のハード、ソフト面の変化はほとんどない。そのときに提供された旅費、文書、経理システム等も現状を変えるものではなかった。トータルシステムは支援室でのみ利用可能である。この状況が業務分担をする上でのヒントになると考える。

 このあと、二十八年度事業案も審議いただくが、この課題に関しては継続研究とし、より効率化・省力化を推進するために、業務一つ一つを検証し、学校が考える事務室と道立学校運営支援室・事務センターの業務分担の見直し、新たなソフトの導入など大胆な提案ができればと考えている。

 最後になるが、本道における教育行政や学校を取り巻く環境の変化は著しく、課題は山積している。事務長会としては、道教委、道高校長協会、道特別支援学校長会をはじめとする関係諸団体と連携し、課題に取り組むとともに、会員の皆さんの意見を伺い、学校現場の現状や思いをしっかりと伝えていくことが重要であると考えている。

 皆さんにおいても、事務長の専門的知識を十分発揮し、教育分野全体を見通した学校運営に取り組んでいただくようお願い申し上げ、開会のあいさつとさせていただく。

(関係団体 2016-05-31付)

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