ミニ道研で初の遠隔授業システム活用　リアルタイムな研修実現　移動コスト・時間縮減に効果期待

（道・道教委 2016-06-27付）

ＩＣＴを活用することで、研修形態が広がる

　【釧路発】道立教育研究所は二十一日、釧路湖陵高校で釧路教育研究所との連携による「ミニ道研」を開催した。高校の遠隔授業システムを活用した遠隔研修として初めて実施。釧路、根室、十勝管内の小・中・高校の教員十九人が参加した。道研から送られる講師の講義やワークショップを通して、校内研究・研修の効果的な在り方について理解を深め合った。

釧路と中継し質疑応答も

　遠隔授業システムを活用することで、遠隔地の学校に在籍する教員を同時に研修に参加させるとともに、出張を伴う研修のコストや移動にかかる所要時間の軽減を図ることを目指し、研修方法としてはじめて導入した。道教委の「ほっかいどうＩＣＴ活用教育加速化事業」の一環。

　当日は、道研企画・研修部の泉大吾主査がモニターを通して、研修会場にいる参加者に効果的な校内研究・研修の在り方について説明した。泉主査は「各教員の自律的・自主的な学習意欲を尊重しながら、研修チームを設けるなどして組織的・継続的な研修を行ってほしい」「全教員の参画意識を高め、アクティブ・ラーニング型研修へ転換して」と呼びかけた。

　また、グループごとに自校の校内研修の課題などについても協議。話し合われた内容や質問はシステムを通して泉主査に届き、即座に適切な助言を受けていた。

　学校の実践紹介では、岩見沢市立南小の教員も画面に登場し、自校の校内研修について発表した。

　後半のワークショップでは、授業のＤＶＤを参観。参加者は授業観察の視点についてグループごとに話し合った。

　参加した白糠町立白糠小学校の八木美星教諭は「研修で遠くに行く時間やコストがかからないので助かる。これからいろいろな授業を見ることができるとありがたい」と話していた。

　道研はICTを活用することによって、リアルタイムで授業観察ができるなど、研修の形態が広がることから、「できるだけ多くの場面で遠隔研修を導入し、その効果や課題を検証しながら、活用の場面・方法を検討したい」と話している。

　今後、オホーツク、空知、宗谷の各管内でも実施する計画だ。

(道・道教委 2016-06-27付)