生徒指導研究協議会開く―十勝局 子の変化に気づいて 道教委・元田主幹が講演
(道・道教委 2016-06-24付)

十勝局生徒指導研究協議会
130人が参加した

 【帯広発】十勝教育局は二十日から二日間、十勝合同庁舎で二十八年度生徒指導研究協議会を開催した=写真=。初日は、道教委教育職員局福利課主幹兼学校教育局健康・体育課主幹の元田夏紀氏が「児童生徒の自殺予防について」と題して講演。元田主幹は、ワークショップや演習を通して、子どもの変化に気づき、的確に対応する必要性を訴えた。

 児童生徒の豊かな成長、発達を促すため、生徒指導上の諸問題に関する研究協議を行い、学校、家庭および地域社会が連携協力して生徒指導の充実や教員の指導力向上を図ることが目的。教育関係者約百三十人が参加した。

 初日の開会式では、竹林亨局長があいさつ。「生徒指導は教員が児童・生徒との信頼関係を築くことや保護者と学校が情報を共有し、ともに歩める体制をつくることによって、より一層機能が発揮する」と述べた。その上で、「協議会を通して、学校・家庭・地域・関係機関それぞれの立場から子どもたちの豊かな成長や自立につながる具体的な取組について協議していただきたい」と呼びかけた。

 引き続き全体会に移り、道教委の元田主幹が「児童生徒の自殺予防について」と題して講演した。

 はじめに、「意思疎通」に関するワークショップを行い、その結果から、「同じ言葉を聞いてイメージするものは人それぞれ違う」ことを指摘。「自分の伝えたいことや相手に分かってもらいたいことは省略しないで具体的に伝え、相手にしっかり伝達しているか確認して」と助言した。

 つぎに、自殺の実態分析のデータを示し、自殺への対応ポイントとして、①気づき②声かけ③傾聴④対応―の四点を提示。「〝普段と比較して性格が急に明るくなった〟〝何に対しても興味を示さなくなった〟など、子どもの変化にいち早く気づき、的確に対応することが大切」と説いた。

 このほか、二人一組になって日ごろの悩みについて話し合う演習を行い、「相手と目を合わせて聴いているか」「腕組みをしていないか」など、相談の受け方について指摘した。

 このあと、帯広警察署生活安全課の川村善寿警部補が「携帯電話やインターネットをめぐるトラブルについて」と題して講話したほか、「子どもたちをネットトラブルから守る情報モラル教育の充実」をテーマにシンポジウムを実施。

 新得高校の阿部穣教頭がコーディネーターを務め、芽室町立芽室西小学校の三上智弘教諭、音更町立緑南中学校の飯塚剛史教諭、帯広緑陽高校の前田健太郎教諭、十勝PTA連合会の高橋弘史副会長、清水町教委の清水彦一教育指導幹がシンポジストとしてそれぞれの取組を発表した。

 二日目は、「児童生徒理解と望ましい集団づくり」と題して、演習を行ったほか、事例研究やグループ協議を実施し、生徒指導力向上に向けて研鑚を積んだ。

(道・道教委 2016-06-24付)

その他の記事( 道・道教委)

上川局が生徒指導研究協議会開く 子を見守る空間つくって 講演やシンポジウム等で研鑚

上川局生徒指導研究協議会  【旭川発】上川教育局は二十日から二日間、上川合同庁舎で二十八年度生徒指導研究協議会を開いた=写真=。両日合わせて延べ百三十九人が参加。専門家による講演やシンポジウム、事例研究などを行い、学...

(2016-06-27)  全て読む

ミニ道研で初の遠隔授業システム活用 リアルタイムな研修実現 移動コスト・時間縮減に効果期待

ミニ道研遠隔授業システム  【釧路発】道立教育研究所は二十一日、釧路湖陵高校で釧路教育研究所との連携による「ミニ道研」を開催した。高校の遠隔授業システムを活用した遠隔研修として初めて実施。釧路、根室、十勝管内の小・中...

(2016-06-27)  全て読む

全道代表高校長研で所管事項説明―道教委(上) 公選法留意事項の周知を 政治的中立性確保へ指導監督要請

 道教委の二十八年度第二回全道代表高校長研究協議会(十七日、道庁赤れんが庁舎)では、各課等の担当者が所管事項を説明した。改正公職選挙法施行に伴う選挙権年齢引き下げにかかわって、「生徒が公職選...

(2016-06-24)  全て読む

教育職員免許法施行細則を一部改正―道教委

 道教委は、二十二日の教育委員会会議で、教育職員免許法施行細則の一部を改正する教育委員会規則を決定した。  ことし四月から施行された教育職員免許法施行規則一部改正に伴い、教育職員検定で隣接...

(2016-06-24)  全て読む

29年度国の文教施策・予算への提案・要望―道教委 学力・体力向上へ支援を 学校施設整備の促進求める

 道教委は、二十二日の教育委員会会議で、二十九年度国の文教施策および予算に関する提案・要望内容を決定した。「学力・体力向上に向けた施策の充実」「公立学校の教職員定数の改善充実」「教育の情報化...

(2016-06-24)  全て読む

文化・スポーツ振興に7千万円 道の2定補正予算案

 道は、二十一日開会の二定道議会に補正予算案を提案した。一般会計二十九億三千三百三十万円、特別会計二千七十四万円の増額補正。  一般会計には、道内スポーツ競技力の向上や、スポーツによる地域...

(2016-06-23)  全て読む

土曜授業推進事業の28年度実践校―道教委 新規2校含む小中18校 教育課程に位置付け年10回程度

 道教委は、文部科学省委託「土曜授業推進事業」の二十八年度実践校に、栗山町立角田小学校など小学校十二校、中学校六校、計十八校を決めた。新規指定は、寿都町立寿都小学校と天塩町立啓徳小学校の二校...

(2016-06-23)  全て読む

独自に公職選挙法教職員研修―上川局と道選管 話し合い重視した活動を 指導上の留意点など説明

公職選挙法教職員等研修  【旭川発】上川教育局と道選挙管理委員会事務局上川支所は十日、管内で独自の取組として、公職選挙法の一部改正にかかる教職員等研修を上川合同庁舎で実施した=写真=。管内の公立高校全校から二十五人...

(2016-06-23)  全て読む

養成・採用・研修の一体改革へ連絡協設置―道教委 年度内に「求める教員像」策定 30年度実施に向け国に先がけ

道教員育成連絡協議会  道教委は二十日、道庁別館で第一回道教員育成連絡協議会=写真=を開き、教員の養成・採用・研修の一体的改革に向けた検討を開始した。文部科学省「教員育成指標等の策定のためのモデル事業」の一環とし...

(2016-06-22)  全て読む

道が道議会文教委で方針案報告 機運醸成、ネットワーク形成を グローバル人材育成に向け

 道は、「北海道におけるグローバル人材の育成」に向けた方針案を取りまとめ、二十日の道議会文教委員会に報告した。〝北海道に求められるグローバル人材像〟として、「北海道への誇りと異なる文化への寛...

(2016-06-22)  全て読む