養成・採用・研修の一体改革へ連絡協設置―道教委 年度内に「求める教員像」策定 30年度実施に向け国に先がけ
(道・道教委 2016-06-22付)

道教員育成連絡協議会
「求める教員像」をもとに、教員育成指標の策定・共有、一体改革の本格実施を目指す

 道教委は二十日、道庁別館で第一回道教員育成連絡協議会=写真=を開き、教員の養成・採用・研修の一体的改革に向けた検討を開始した。文部科学省「教員育成指標等の策定のためのモデル事業」の一環として、国の動きに先がけて着手した。年度内に、オール北海道で共有する「求める教員像」を策定し、二十九年度に、国の法制化に基づき教員育成協議会を設け、「教員像」に基づく教員育成指標を策定・共有。三十年度には、一体的改革を本格実施していく。

 教員の資質能力向上にかかわって、国段階では、中央教育審議会が昨年十二月、答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて」を取りまとめ、教員の養成・採用・研修の一体的改革を示した。教育委員会と大学等が養成や研修の内容を調整するための制度として仮称・教員育成協議会を設けることや、教員の育成ビジョンを共有するための教員育成指標を策定することなどを盛り込んでいる。

 これを受け、国では、教員育成協議会の法制化などを予定している。

 道教委では、国の検討状況を踏まえ、昨年十一月から庁内各課や教員養成課程のある大学と情報交換、説明会を行ったほか、文科省「総合的な教師力向上のための調査研究事業」のうち、テーマ3「教員育成指標等の策定のためのモデル事業」に応募し、採択されるなどの準備を進めた。

 その中で、本道の課題として、大学と教育委員会との連携、道教委と札幌市教委の双方で「求める教員像」が存在していることなどが浮かび上がった。

 そこで、中教審答申の内容や本道の課題を踏まえ、国の協議会法制化に先がけて道教員育成連絡協議会を設け、大学等と教育委員会が連携し、本道における課題に対する検討を始めることとした。

 連絡協議会では、教員育成指標の策定に向けた協議を行うが、その前提として、本道の課題や地域特性などを踏まえたオール北海道の「求める教員像」を明確化する必要があると判断。まず、「求める教員像」の検討から始め、その後、教員育成指標などの検討に移行していく。

 第一回連絡協議会には、教育委員会や大学、四種校長会、PTA団体などの委員十四人が出席した。

 開会に当たって、村上明寛総務政策局長があいさつに立ち、「教員の養成・採用・研修の一体的な改革に向け、国の法整備に先行して、この協議会を立ち上げ、関係者の知恵を借りながら、オール北海道で改革を進めていきたい」と述べた。

 「求める教員像」についての協議では、委員から、「指標の前提として教員像を策定することは重要。ビジョンが明確であれば、様々な取組を行う上でブレがないかをチェックできる」「道教委と札幌市教委がもつ教員像は、とらえ方の違いだけで、根本ではさほどの差異がみられない。調整し一本化して、オール北海道としての明確な教員像を策定する必要がある」などの意見が出た。

 「求める教員像」やそれに基づく教員育成指標を策定後、その実現を目指すためには、オール北海道での取組が必要と指摘する声もあった。

 また、「求める教員像」などの策定に向け、道内の市町村教委やPTAの地区連合会、四種校長会を対象に行うアンケート調査の在り方についても協議した。

 道教委では、アンケート調査やヒアリング調査を行いながら、連絡協議会で協議を進め、年度内に「求める教員像」を策定するとともに、教員育成指標についても検討。二十九年度に、国の法制化に基づいて教員育成協議会を設け、指標の協議、策定、共有を進める。三十年度には、養成・採用・研修の一体的改革を本格実施していく考え。

(道・道教委 2016-06-22付)

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