全道代表高校長研で所管事項説明―道教委(中) 合理的配慮へ一層理解を 学校体育活動における事故防止要請
(道・道教委 2016-06-27付)

◆高校教育課

【高校における特別支援教育】

▼教育上特別な支援を必要としている生徒が在籍する高校への特別支援教育スーパーバイザー等の派遣

 ことし二月および六月に実施した、教育上特別な支援を必要としている生徒に関する調査の結果を踏まえ、該当する生徒が在籍する高校に対し、十月から二月にかけて、教育局配置の特別支援教育スーパーバイザー(SV)や特別支援学校の教員を派遣予定。

 関係する学校においては、支援や指導の充実を図るため、校内研修会の講師や、個別の教育支援計画の作成等についての専門的な助言などに、積極的に活用いただきたい。

▼障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の施行

 ことし四月一日から、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行され、障がいのある方から、何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、負担になりすぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な、合理的な配慮を行うことが求められている。

 つぎの資料を活用するなどして、教職員の理解が一層深まるよう努めていただきたい。

▽『障がいのある方へのよりよい対応ができるサポートブック』(道教委)

▽『障害者差別解消法リーフレット』(内閣府)

【海外からの教育旅行の受け入れ】

 グローバル化が進展する中、海外の高校生等が日本を訪れ、併せて、学校を訪問する「教育旅行」を受け入れることは、諸外国の人々と互いの歴史や文化、習慣等を理解し合い、異なる文化や生活習慣をもつ人々と協調して生きていく態度を育成する上で、意義がある。

 昨年度、二十一校の道立高校が海外からの教育旅行を受け入れた。

 道教委では、より多くの学校が海外からの教育旅行を受け入れることができるよう、受け入れの成果等について、積極的に情報提供するとともに、ホームページに受け入れを希望する学校の情報等を掲載しているので、これらを参考に、海外からの教育旅行の受け入れについて検討いただきたい。

▽『海外からの教育旅行の受け入れについて』(道教委、二十八年四月)

【スマートフォン等の使用にかかる指導】

 二十七年十一月四日付教高第一二〇四号通知「〝道高校学力向上推進事業〟における学力テスト等の実施について」で依頼した学習状況等調査の結果から、公立高校一年生の約三割の生徒がインターネットを利用するために勉強時間を犠牲にしていることなどが分かった。

 調査結果をもとに、各学校において、効果的な利用方法も含め、スマートフォン等を適切に使用することについて話し合うなど、生徒が主体となった取組を推進するとともに、学校評議員会等における説明や意見聴取を行うなど、学校評価等を活用した検証改善サイクルの構築を図っていただきたい。

【施設設備等の適正な管理】

 火災、物損事故の未然防止はもとより、生徒にとって良好な教育環境を維持することは重要であることから、職員に対し、学校施設等の適正な管理について指導いただきたい。

【総合政策部政策局事業「二十八年度出前講座〝北海道の未来を考えよう〟」について】

 ことし四月から、道の新しい総合計画がスタートしたが、次世代の本道を担う高校生がこの計画を学び、本道の将来、そして、高校生の未来について考える機会とするため、道において、高校生を対象とした「出前講座」を実施することとした。

 七月上旬を目処に、計画書の「本編」や、「概要版」、漫画による「青少年版」等を各高校あてに配布し、「出前講座」の案内を同封する予定である。各学校において、出前授業の実施を検討いただきたい。

◆特別支援教育課

【特別支援教育の推進のための研修】

 教職員一人ひとりの特別支援教育に対する理解を深めることが重要であることから、積極的に研修を受講していただきたい。

▼特別支援教育充実セミナー(教育局で開催)

・期日=各教育局で設定(二十八年七月から十月までの一日間の実施)

・会場=各教育局で設定

・対象

ア 管内の公立幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高校および中等教育学校の特別支援教育コーディネーター(札幌市を除く)

※過去に「特別支援教育コーディネーターを対象とする研修」を受講していない特別支援教育コーディーネーターは必ず受講

イ 参加を希望する校長、副校長、教頭、主幹教諭、教諭等

・内容=説明「本道における特別支援教育の充実」、説明・演習「通常の学級における特別支援教育の視点を生かした『実践事例集』および『校内研修プログラム』の活用」、説明・質疑「推進校の取組」、説明・質疑「推進地域の取組」、グループ協議「市町村における早期からの取組および市町村内のネットワーク構築」

 なお、予算の関係上、「対象のア」に該当する者のうち、過去に「特別支援教育コーディネーターを対象とする研修」の受講経験のない者に、参加旅費を措置する(ただし、幼稚園教諭、市町村立全日制の高校を除く)。

※特別支援教育コーディネーターを対象とする研修とは、「特別支援教育充実セミナー」、「特別支援教育基本セミナー」、管内や市町村規模の「特別支援教育の研修会」、「道立特別支援教育センター講座の研修」を指す。

▼特別支援教育心理アセスメント講座

・期日=12月26日、12月27日

・会場=道立特別支援教育センター

・対象=高校教職員など

・内容=講義・演習-12月26日「WISC-Ⅳ知能検査の理解」「田中ビネー知能検査Ⅴの理解」「フロスティッグ視知覚発達検査の理解」、12月27日「WISC-Ⅳ知能検査の理解」「心理・教育アセスメントバッテリー日本版KABC-Ⅱの理解」「DN-CAS認知評価システムの理解」「日本版PEP-3自閉症・発達障害児教育診断検査の理解」

▼夏季講座

・期日=8月10日

・会場=道立特別支援教育センター

・対象=高校教職員

・内容・高校教諭特別支援教育研修コース=講義「高校における特別支援教育の展望」、情報交流会「高校における特別支援教育の推進」、講義「特別な教育的支援を必要とする生徒への生徒指導」、講義「高校(高等部)段階における〝社会との接続〟とキャリア教育の関連付け」

▼冬季講座

・期日=29年1月10日、1月11日

・会場=道立特別支援教育センター

・対象=高校教職員など

・内容・特別支援教育専門コース(発達障がい、1月10日)=講義「通常の学級における特別支援教育の現状と課題」、講義「校内研修プログラム等を活用した校内研修の充実」、講義「LDのある児童・生徒の理解と支援方法」、講義「LDのある児童・生徒の指導の実際」

・内容・教材づくり充実コースⅡ(1月11日)=共通講義「教材研究と作成のポイント」、講義・実技「ICT活用の実際」、講義・演習「授業におけるICTの活用」

◆健康・体育課

【中学校における武道の必修化に伴う柔道授業の支援】

 本年度も、指導力を有する教員を専門的教員として委嘱するとともに、拠点校を指定し、中学校における柔道の授業を支援する予定。関係学校には、協力いただきたい。

 専門的教員には、昨年度に引き続き、初任者および初めて柔道を指導する教員が所属する中学校の柔道授業の視察および指導助言などを依頼する予定。関係学校には、併せて、協力いただきたい。

【学校体育にかかわる研修事業】

▼中学校・高校体育実技講習会

 例年、実施している中学校・高校体育実技講習会については、本道の小・中学生の体力調査の結果を踏まえ、本年度まで、中学校教員に重点を置いて実施することとしている。ただし、全国研修の伝達も兼ねた研修なので、可能であれば、高校の先生にも参加していただきたい。

▼授業実践講座(保健体育)

 本年度も、道央、道南、道北、道東の各ブロックで開催する予定。今後、授業実践スペシャリストおよび会場校の選定を進める予定。関係学校には、理解と協力いただきたい。

 授業実践講座については、参加者の旅費は措置されないが、例年、参加者の満足度が非常に高い実践的な研修であり、保健体育科の教員の指導力の向上を図る貴重な機会となっていることから、教員の参加について、配慮いただきたい。

【学校体育活動中の事故防止】

 学校体育活動においては、事故の未然防止の観点から、活動場所や設備、用具等の安全点検を適切に実施するとともに、児童生徒の体力や技能等を踏まえた活動計画を作成することが重要である。

 各学校においては、二十一年三月に道教委が作成した『学校体育活動中における事故防止の手引』を有効に活用するとともに、二十七年十一月十一日付教健体第七四六号学校教育局長通知「学校における体育活動中の事故防止等について」および添付のチェックリストによって、体育活動全般について検証し、必要な改善を行うなどして、事故防止に万全を期していただきたい。

 また、熱中症事故の防止については、二十八年五月二十四日付で通知したが、五月中旬に、道内の中学校において体育大会の練習中に生徒が熱中症の疑いで病院に搬送される事故が発生している。通知および先ほど申し上げた事故防止の手引きやチェックリストを活用し、事故防止を徹底していただきたい。

【運動部活動顧問および外部指導者による体罰の防止】

 すでに通知されているが、昨年度の運動部活動中の運動部顧問や外部指導者による体罰はなかった。各学校における、日ごろからの適切な指導に感謝する。

 各学校においては、二十七年六月四日付事務連絡「運動部活動顧問・外部指導者向け研修資料『一人一人の生徒が輝く運動部活動を目指して』について」で配布した資料等を活用するなどして、引き続き、体罰の根絶を目指し、運動部活動顧問や外部指導者が体罰に関する正しい知識に基づき、効果的な運動部活動運営を行っていただきたい。

 さらに、外部指導者については、各部での活用状況を把握するとともに、外部指導者に対して、面談等を通じて、学校経営方針や部活動の指導方針、体罰のない適切な指導の在り方について理解を得るなどし、体罰によらない部活動指導となるよう徹底していただきたい。

【献血制度等にかかる教職員等研修会】

 高齢社会が進展し、献血者数の確保が必要とされる中、少子化の進展による献血可能人口の減少に加え、若年層の献血者数が減少傾向にあることから、将来の献血を支える高校生等の若年層が、献血の意義や制度、健康被害救済制度などについて理解を深めることは重要である。

 こうしたことから、生徒の理解を深めるため、教科「保健体育」の科目「保健」の授業における指導例を掲載した指導資料を作成し、ことし二月、各学校に配布した。機会をとらえ、積極的に活用いただきたい。

 また、道保健福祉部や日本赤十字社と連携し、献血についての正しい知識の普及啓発を促進するため、小・中・高校の教職員等を対象とした研修会を空知・桧山・オホーツク・十勝・根室の五管内で開催する予定である。

 日程や場所などが決まり次第、周知するので、関係職員の出席について、理解と協力をいただきたい。

【二十八年度学校保健・安全研究大会】

 十月二十七~二十八日に全国学校保健・安全研究大会が、四十四年ぶりに北海道(札幌市)で開催される。

 本大会は、健康教育および安全教育に関する諸課題について研究協議を行う大会であり、発達障がいの患者や家族に対する親身な支援を行っている田中康雄先生による記念講演や、十課題ごとに、全国の優れた取組の発表および協議等を行う課題別研究協議を予定している。教職員にとって、貴重な研修機会となるため、関係職員の参加について特段の配慮をいただきたい。

(道・道教委 2016-06-27付)

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