次期道教育長計策定へイメージ　未来を創る力など重点に　第２回道教育推進会議で提示

（道・道教委 2016-07-13付）

教育長計のほか、活動状況の点検・評価、高校教育の指針などについて審議

　道教委は、三十年度から五年間の第五次道教育長期総合計画の策定に向けた「新しい教育計画のイメージ」を提示した。十一日に札幌市内の道第二水産ビルで開かれた第二回道教育推進会議＝写真＝で、検討案として示した。イメージでは、基本理念「自立」「共生」のもと、「社会で活きる力」「豊かな人間性と感性」「健やかな体」「家庭・地域」「これからの学校づくり」「学びを活かす地域社会の実現」の六つの目標を挙げるとともに、「未来を創る力の育成」「人口減少下の教育環境づくり」の二つの重点を掲げる。これらをもとに審議を進め、秋以降に原案をまとめる予定。

　道教育推進会議（小内透会長）は、五月開催の第一回会議で柴田達夫教育長から諮問を受け、三十年度から五年間の第五次道教育長期総合計画の策定に向け、施策の基本的な方向性や個別・具体的な教育施策の体系的な整理、計画の進行管理に適した具体的な成果指標の在り方などについて審議を開始した。

　第二回会議では、事務局が検討案として、「新しい教育計画のイメージ」を提示した。

　イメージでは、現行の道教育推進計画改定版が二つの基本理念、五つの基本目標、十二の基本方向で構成されているのに対し、新計画では、二つの基本理念のもと、六つの目標、二つの重点という構成になっている。

　基本理念は、現行計画と同じく「自立」と「共生」を掲げている。

　六つの目標として挙げているのは、「社会で活きる力」「豊かな人間性と感性」「健やかな体」「家庭・地域」「これからの学校づくり」「学びを活かす地域社会の実現」。

　このうち、「社会で活きる力」は、「知育」に相当するもので、学力の向上や国際理解教育、情報教育、キャリア教育などを盛り込む。

　「豊かな人間性と感性」は、「徳育」に相当し、コミュニケーション能力や道徳教育、ふるさと教育、いじめ・不登校対応などを含む。

　「健やかな体」は、「体育」に相当し、体力・運動能力、食育、健康教育を項目に挙げている。

　「家庭・地域」では、新たに教育の貧困対策を盛り込むほか、「これからの学校づくり」では、開かれた学校や学校間連携など、「学びを活かす地域社会の実現」では、生涯学習や社会教育などを挙げている。

　特に推進するべき項目として設定する二つの重点には、「未来を創る力の育成」「人口減少下の教育環境づくり」を掲げる。

　会議では、これらの「イメージ」をもとに審議。

　委員からは、重点の一つ「未来を創る力の育成」について、「コミュニティ・スクールなど、多くの人たちがかかわって行う教育が重要。教育現場だけではなく、家庭や地域社会などがそれぞれ行っている教育をどうつないでいくかが大切になる」、同じく「人口減少下の教育環境づくり」について、「社会的な課題であり、学校、家庭、地域だけではなく、行政もともに取り組まなければ」などの意見が出た。

　知事部局との連携についても意見が交わされ、「事業をすみ分けるのではなく、両方でダブって取り組むような対応があってもいいのでは」などの声があった。

　八月の次回会議でも審議を進め、秋以降に原案をまとめる予定。

(道・道教委 2016-07-13付)