メンター研修による若手育成 指導力向上し学校改善 道教委が第1回推進協議会(道・道教委 2016-07-20付)
調査研究校の管理職やチームリーダーなどが出席した
道教委は十五日、札幌市内の道第二水産ビルで二十八年度第一回総合的な教師力向上のための調査研究事業推進協議会を開いた=写真=。事例発表や取組の交流などを通し、〝メンター研修〟を実施することで、若手教員を育成するとともに、すべての教員の指導力向上、学校改善につなげていくことを確認した。
文部科学省委託事業「総合的な教師力向上のための調査研究事業~メンター制等による研修実施の調査研究」は、先輩教員によるメンターチームを設置。初任者に必要な資質・能力を、円滑かつ効果的に育成するとともに、初任者育成を通じて、学校全体の教員の指導力向上を促すシステムを確立するため、調査研究を行い、総合的な教師力の向上を図るもの。
石狩市立花川小学校など八管内十校を調査研究校に指定した。各校では、先輩教員が助言者や支援者などを意味するメンターとなり、採用五年目以下の若手教員を育成するためのメンターチームを設置。同チームによるメンター研修を実施する。
推進協議会は、調査研究校の取組を共有するほか、外部有識者から指導助言を受けて、今後の取組に役立てようと開催。調査研究校の校長・教頭・チームリーダーや所管教育局の担当指導主事を合わせ約三十人が出席した。
中では、調査研究校の登別市立幌別小学校の小野島晶教諭が「メンターシステムの構築と今後の展望~学校力向上事業と人材育成」と題し、同校の取組について発表した。
「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校でもある同校では、教員としての資質・能力向上が急務とし、目指す教師像に「主体的に更新し続ける」「授業で勝負する」などを掲げ、日常業務を通した訓練(OJT)を基本に、メンターチームを活用した人材育成に取り組んでいる。
小野島教諭は、管理職やメンターからのかかわり、若手教員同士の自然発生的なメンターチームの取組などを通して、若手の力量アップにつながったことを成果に挙げた。
推進協議会では、各調査研究校の取組の交流なども行った。
横浜国立大学教育人間科学部附属教育デザインセンター講師・脇本健弘氏が助言。若手育成のためには、経験から学ぶ力に着目し、「どのような経験をするか」という〝経験軸〟と、みんなで後輩を育てることに着目し、「後輩にとって良い環境か」という〝ピープル軸〟が基本と指摘した。
また、横浜市におけるメンター研修の取組を紹介。メンター研修が若手教員の育成のみならず、先輩教員が自身の仕事を振り返り、その改善につなげることで、ひいては、学校改善につながることを説明した。
同じく助言に立った北海道大学大学院教育学研究院准教授・姫野完治氏は、ベテランの技が若手に〝伝わる状態〟になっていないことを指摘。教員としてのパターンや行動様式ができる「なれる学び」などの重要性を挙げた。
また、メンター研修は、教員として〝学ぶ状態〟をつくり出すシステムになり得るとし、初任者だけのための研修ではなく、全教職員を〝伝わる状態〟〝学ぶ状態〟にして、学校改善に生かすよう呼びかけた。
(道・道教委 2016-07-20付)
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