学校給食残食率の改善に向けて道教委 適切な栄養管理など要請 見直しの観点取りまとめ
(道・道教委 2016-07-20付)

 道教委は、学校給食の「残食率の改善に向けた見直しの観点」を取りまとめた。「適切な栄養管理」に向けた観点として、「適正な提供量」「献立の工夫」「調理の工夫」「残食量の把握」を挙げた。「食に関する指導」にかかわる観点として、「配膳時の工夫」「食べる時間の確保」「食に関する指導の充実」「食事環境の整備」を提示。それらに基づき、各市町村教委や学校における指導の充実を呼びかけている。

 道教委では、昨年十一~十二月、「学校給食の栄養管理に関する調査」=「解説」欄参照=を実施し、市町村立小・中学校や特別支援学校における学校給食の残食量、文部科学省が示す「学校給食摂取基準」の運用などについて調査した。その結果、「残食率の高い料理に一定の傾向がみられる」「学校間でばらつきがある」「日常的に残食量や児童生徒の学校給食に対する意識等の実態を把握していない」などの課題が判明した。

 それらを踏まえ、残食率の改善に向け、「適切な栄養管理」と「食に関する指導」からなる「見直しの観点」を作成し、各教育局長に通知。各市町村教委や学校における指導の充実を呼びかけた。

 「適切な栄養管理」に向けた観点には、「適正な提供量」「献立の工夫」「調理の工夫」「残食量の把握」の四点を挙げている。

 「適切な提供量」については、「学校給食摂取基準」をそのまま運用するのではなく、児童生徒の体格や生活活動などの実態に応じて弾力的に運用することを求めている。

 「献立の工夫」では、食品の組み合わせや味付けのバランスなどに配慮し、魅力あるおいしい献立づくりを要請。児童生徒が栽培した野菜を食材に取り入れたり、地場産物や郷土料理を導入したりするなど、教科等の食に関する指導に活用できるよう教育的な配慮がなされた献立とすることなども盛り込んでいる。

 「調理の工夫」については、調理の手順・操作・時間を標準化。温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たい状態で食べるため、出来上がり時間から逆算したタイムテーブルを設定するなどして、調理後二時間以内の食べ始めが可能となるよう求めている。

 また、「残食量の把握」では、毎日の残食率の記録だけではなく、栄養摂取状況の定期的な評価、児童生徒の意識調査を行い、改善に向けた取組に生かすことをポイントに挙げている。

 一方、「食に関する指導」にかかわり、「配膳時の工夫」「食べる時間の確保」「食に関する指導の充実」「食事環境の整備」を見直しの観点に掲げた。

 「配膳時の工夫」では、一人分の目安量を学級担任が見本として配膳することなどを基本としつつ、個人の推定エネルギー必要量によって児童生徒をグループ化し配膳量を調整するなど、個に応じた対応を求めている。

 「食べる時間の確保」については、教員が授業を給食の時間に食い込ませないようにするとともに、給食準備を効率化すること、食事に集中できなくなるような放送を行わないなど配慮することを挙げている。

 「食に関する指導」としては、給食の時間における望ましい栄養や食事の取り方、食べ物を大切にする心や感謝の気持ち、正しい食べ方の指導を列挙。教科などでの指導や個別指導の必要性も示した。

 また、「食事環境の整備」では、児童生徒がみんなで空気の入れ換えやごみ拾いをあらかじめ行うなど気持ちよく食事ができる環境づくり、空き教室を活用したランチルームの整備などを挙げている。

(道・道教委 2016-07-20付)

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