道研が特別活動研修講座開催 学級活動の改善・充実へ 1単位時間の指導案作成など
(道・道教委 2016-07-22付)

道研特別活動研修講座
「今、求められる特別活動の在り方とその指導」をテーマに講義・演習

 道立教育研究所は六月下旬から七月上旬の二日間、同所で特別活動研修講座を開催した。道内各地から授業改善の推進役を担う小・中・高・特別支援学校の教諭十七人が参加。自主的・実践的な態度を育む特別活動の指導計画の在り方について研修し、児童生徒により良い人間関係を築く力や社会に参画する態度を養う指導力の向上を図った。

 初日、同所企画・研修部の滝田尚誠研究研修主事が「今、求められる特別活動の在り方とその指導」をテーマに講義・演習を行った=写真=。

 滝田研究研修主事は、特別活動の目標を、「望ましい集団生活を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的・実践的な態度を育てるとともに、自己の生き方についての考えを深め、自己を生かす能力を養う」と定義。目標を踏まえた指導のポイントとして、「集団活動の特質を生かす」「望ましい集団活動の指導」「学校の創意工夫を生かした弾力的な指導」「体験的な活動を重視した指導」を挙げた。

 特別活動の内容に関し、「学級(ホームルーム)活動」「児童(生徒)会活動」「学校行事」「クラブ活動」(小学校のみ)の目標について説明。四つに共通する文言として、「望ましい人間関係を形成」「自主的、実践的な態度を育てる」を挙げ、「四つとも共通しているということは、目標から外せないということ」と指摘した。

 特別活動の指導計画については、「各活動あるいは学校行事ごとの年間指導計画、一単位時間の指導計画の前に、学校全体の教育活動の中で、特別活動の全体計画を踏まえて作成することが大切」と強調。「各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間との関連を図りながら、計画を策定していくことが大事」とも述べた。

 特別活動の指導計画の作成に当たって、①学校の創意工夫を生かす②学級や学校の実態や児童生徒の発達の段階などを考慮する③児童生徒による自主的、実践的な活動が助長されるようにする④各教科および総合的な学習の時間との関連を図る⑤家庭や地域の人々との連携、社会教育施設等の活用などを工夫する―の五点に留意するよう求めた。

 各活動や学校行事の年間指導計画について、学級活動を例にしながら説明し、学校としての年間指導計画や、学級ごとの年間指導計画、一時間単位の指導計画の手順を例示した。

 特別活動の評価の留意点として、「児童生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに、指導の過程や成果を評価し、指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにする」「児童生徒一人ひとりのよさや可能性を積極的に認めるようにするとともに、自ら学び自ら考える力や、自らを律しつつ他人とともに協調できる豊かな人間性や社会性など生きる力を育成する視点から評価を進めていく」「指導の改善に生かすという視点を重視する」「各活動・学校行事について具体的な評価の観点を設定し、評価の場や時期、方法を明らかにする」ことを提示した。

 引き続き、自校の特別活動の課題や取組について交流。講義を通して、「特別活動の現状と課題」について理解を深めた。

 午後からは、「年間指導計画の改善・充実」をテーマに講義・演習。自校の課題の明確化を図るとともに、改善策を考察。また、自身の学級活動の実践について振り返った。

 このあと、北広島市立緑ヶ丘小学校の渡辺勤教諭が「言語活動の充実を図った学級活動の実際」について実践発表。

 二日目は、「望ましい人間関係や集団の形成」について講義・演習。学級活動の実践を改善するための視点について、理解を深化。また、これまでの講義・演習、実践発表を踏まえて、任意の一時間の学級(ホームルーム)活動の指導案をグループで作成した。

 最後に、研修成果を活用・普及するため、二日間の研修を振り返り、交流した。

(道・道教委 2016-07-22付)

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