上川局が特別支援教育充実セミナー　学級全体に手厚い配慮を　発達障がい成果普及事業の紹介も

（道・道教委 2016-09-09付）

通常学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒の指導・支援の充実について研修した

　【旭川発】上川教育局は二日、上川合同庁舎で特別支援教育充実セミナーを開催した＝写真＝。通常学級に在籍する特別な支援を要する児童生徒の指導・支援の充実について研修。学級全体への配慮を手厚くした上で、個別の支援を行うことの大切さを確認した。また、道教委の発達障がい支援成果普及事業の取組を参加者で情報共有。早期からの相談・支援体制の構築に向け意見交換した。

　上川総合振興局保健環境部社会福祉課、かみかわ相談支援センターねっと、道発達障害者支援道北地域センターきたのまち共催。セミナーの後半は、社会福祉課所管の発達支援研修会との合同開催となっている。

　管内の幼稚園、小・中学校、高校等の特別支援教育コーディネーター、保健・福祉関係者など約百人が参加した。

　はじめに、道教委特別支援教育課の永澤篤主幹が「本道における特別支援教育の充実」について説明した。学級全体への配慮を手厚くした上で、支援を要する子どもに対し個別の支援を行うよう推奨。指導・支援の充実に向け、校内研修プログラムや通常学級における特別支援教育の視点を生かした『実践事例集』の活用を求めた。

　続く演習では、学級のもめごとなどを減らし、騒がしい教室を静かにする取組などについて、全体への配慮と個別の支援の視点から参加者同士で協議した。

　午後からは、道教委の発達障がい支援成果普及事業推進校の愛別町立愛別幼稚園、上川町立上川小学校、剣淵町立剣淵中学校、幌加内高校の担当者が校内研修プログラムや実践事例集を活用した実践を紹介した。

　成果について、「校内研修プログラムをもとに個別の指導計画を作成し、生徒の具体的な短期目標を設定したことで、必要な支援が分かった」「生徒への前向きな言葉がけを意識したことでやる気を引き出せた」などと振り返っていた。

　また、美瑛町の担当者が推進地域としての取組を発表した。町ではすべての子どもを対象とした子育てファイル『すとりーむ』を関係機関の連携ツールとして活用。早期から個々のニーズに応じた支援や指導によって、子どもの問題を未然に防ぐ予防教育を進めていることを報告した。

　その成果として、保護者と関係機関がすとりーむを中心につながり、合意形成をもとにした支援ができていることなどを挙げていた。

　このあと、早期からの相談・支援体制の構築に向け、推進地域等の取組をもとに、参加者で意見交換した。

(道・道教委 2016-09-09付)