公立小・中事務職員研修会　“チーム学校”での役割は　国研・藤原総括研究官が講演

（道・道教委 2016-09-12付）

講演する藤原総括研究官

　五日に行われた道教委主催の道公立小・中学校事務職員（新たなミッションを担う事務職員）研修会で、国立教育政策研究所の藤原文雄総括研究官＝写真＝が「チーム学校と学校事務職員の役割について」と題して講演した。

　冒頭、藤原総括研究官は、チームとしての学校が求められる背景として、「新しい時代に求められる資質・能力を育む教育課程を実現するための体制整備」と説明。経済協力開発機構（OECD）が行った生徒の学習到達度調査（PISA）の結果を取り上げ、「日本の子どもたちの学力はトップクラス。思考力・判断力・表現力もトップクラス」とする一方で、「〝自らの力によって社会を変えられるかも知れない〟といった意識が低い。これらをどうするのかということが議論されている。そして、新しい学習指導要領の中で、これからの時代においてどのように社会・世界とかかわり、より良い人生を送るか、自分のライフデザインを描ける子どもを育むかという、カリキュラム・デザインという概念が生まれてきた」と解説した。

　また、新しい学校をつくりたいというビジョンのもと、チーム学校として「知識だけではなく、変革する社会の中で生き抜いていく子どもたちを育むため、すべての子どもたちを大切にする学校をつくるため、先生方が子どもと向き合う時間を取る」ことの必要性を語り、①他職種協働②マネジメント機能強化③業務改善―の三つの柱により、業務や役割の見直しを提示した。

　このほか、これらの取組を進めるために校長のリーダーシップの在り方として、「学校の教育ビジョンを示し、教職員の意識や取組の方向性の共有を図る。多様な専門性をもった職員を有機的に結び付け、共通の目標に向かって動かす能力や、学校内に協働の文化をつくり出すことができる能力」を挙げ、「共有がキーワード、校長がキーパーソンになる」と語った。

　また、教頭の役割のほか、加配事務職員の役割として、「より権限と責任をもって事務を処理することが求められている」と述べるとともに、これら様々な取組を「新しい学校をつくるため、新しい役割分担を考えていく。すべての職員の働き方革命」と締めくくった。

(道・道教委 2016-09-12付)