特センが指導技術研修講座開く 社会参加への支援法探る 性の指導で基調講義など
(道・道教委 2016-09-14付)

 道立特別支援教育センターは八月上旬の二日間、同センターで二十八年度「特別支援学校指導技術研修講座」を開催した。特別支援学校の寄宿舎指導員、実習担任教諭、実習助手四十四人が受講。初日、元小樽保健所長の秋野惠美子氏が基調講義。障がいのある幼児児童生徒への性の指導の在り方・留意点について解説した。

 研修講座は、幼児児童生徒の障がいの理解と対応について知識を深め、将来の社会における参加・貢献に向けた発達を促すために必要な支援の在り方について学ぶことを目的に開催。特別支援学校の寄宿舎指導員、実習担任教諭、実習助手四十四人が参加した。

 初日、開講式では木村浩紀所長があいさつ。講座の目的・内容を説明し、「特別支援教育に携わる先生方同士のつながりから、日々の授業や寄宿舎での生活の質をさらに向上させるきっかけになることを期待する」などと述べ、研修の成果に期待を寄せた。

 研修に移り、立田祐子知的障がい教育室長が「特別支援教育に関する最新の動向」について講義。障がい種別の部会に分かれ、幼児児童生徒理解や障がいの特性に応じた指導の在り方について理解を深めたほか、卒業後の就労と余暇の充実について協議した。

 最後に、元小樽保健所長の秋野氏が「障がいのある幼児児童生徒への性の指導」をテーマに基調講義。性教育の目的として、①性被害から子どもたちを守るために、子どもたちが知っておくべきことを伝える②子どもたちが知りたいことに答える③性について相談してもいいということを伝えるため④健康で喜ばしいことというイメージをもってもらうため⑤性器の異常について相談するときの言葉を知るため―と提示。

 性被害に関し、加害者が被害者を選ぶ条件として、「抵抗しない」「告げ口しない」の二点を挙げ、子ども、知的障がい者などこの条件をもつ人がいたなら、「その人が被害に遭う前に性教育を行うことは当たり前」と強調した。

 また、特定の個人が何か問題行動を起こした場合、どんなに優しく対応したとしても、「“個別指導”はその子にとっては“罰”でしかない。まず、その子に指導すべき内容を全体に対しての教育として行う必要がある」と指摘。

 その上で、再度同じことが行われた場合の対応として、「決心が足りなかったね、またやってしまったね、何度言えば分かるの、を決して口にしない、言うと逆効果になる」と訴えた。

 二日目は、道立教育研究所附属情報処理教育センターの金田唯史研究研修主事が「賢く使おう!インターネット」と題し、講義。幼児児童生徒に適切なネット利用を指導する上で、必要な基本的な事柄について説明した。

 また、幼児児童生徒一人ひとりの課題解決に向けた協議を行い、今後の指導・支援の方法について共有した。

 受講後のアンケートには、「学んだことを職場で実践していきたい」「自身の実践の確認ができ、研修が深まるように様々な工夫があり充実した研修会だった」などの感想が挙がった。

(道・道教委 2016-09-14付)

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