新たな「高校教育に関する指針」 29年度末目途に作成へ 「検討の視点は3点」、検証結果報告初案―道教委(道・道教委 2016-09-14付)
道教委は、「新たな高校教育に関する指針」検証結果報告書案を取りまとめ、十二日の道議会文教委員会で報告した。「指針」に基づく施策には、新たな対応や改善が必要な内容が多いことから、新しい指針を作成する方針を提示。検討の視点として、①活力と魅力のある高校づくり②経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり③地域とつながる高校づくり―を示した。報告書は、道議会での議論を経て決定する。その後、道教委は、新しい「指針」の作成に向け、庁内の高校教育検討委員会、外部有識者による検討会議で検討。二十九年度末を目途に作成する考え。
「指針」は、未来を担う人材を育むための高校教育の基本的な考え方と施策の方向性を示したもの。十八年八月に策定し、二十年度から、「指針」に基づく各種施策を実施している。
施策の実施期間は設けておらず、国の施策の動向や社会の変化、時代の要請を踏まえ、必要に応じて見直しを図ることになっている。
高校教育を取り巻く状況に大きな変化がみられることから、「指針」に基づく施策の成果と課題の検証を行うこととし、庁内に高校教育検討委員会を設けて検証を進めてきた。
報告書案は四章構成。
第一章「〝新たな高校教育に関する指針〟に基づく施策の成果と課題の検証」で、検証の経緯や基本的な考え方などを説明。第二章「指針の施策項目ごとの検証」と第三章「〝多様な選択を可能にするための教育制度等の改善〟と〝教育水準の維持向上を図る高校配置〟に関する検証」で検証結果を示した。
それらを踏まえ、第四章「検証結果の対応方向」では、「指針」に基づく施策について、新たな対応や改善が必要な内容が多いことから、「新しい指針を作成することとする」と結論付けた。
そのための視点として、三点を提示した。
第一は、「活力と魅力のある高校づくり」。多様な学習ニーズに対応し、活力と魅力のある高校づくりを推進できるよう、一学年四~八学級の学校規模を基本としつつ、総合学科や単位制、普通科フィールド制について、新たな設置・導入の考え方を検討する。中高一貫教育については、併設型設置の可能性を含めた在り方などの検討を進める。
第二は、「経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり」。職業学科について、地域の関係機関、産業界等との連携を深め、望ましい教育環境のもと、実践的な教育活動を推進するとともに、産業技術の進展や地域産業の特性等を踏まえた学科構成を検討する。
第三は、「地域とつながる高校づくり」。地域キャンパス校について、ICTの活用など、教育環境の充実に向けた取組を推進するとともに、再編基準の緩和に向けた具体的な人数要件を検討する。併せて、コミュニティ・スクールの導入促進なども検討していく。
十二日の道議会文教委員会で道教委は、報告書案の内容を説明し、「道議会で議論したのち、決定していきたい」との考えを示した。
また、新しい「指針」の作成に向け、庁内の高校教育検討委員会で検討を進めるとともに、有識者などで構成する検討会議を設置し、議論するなどの方針を明らかにした。
杉本昭則教育部長は、丸岩浩二委員(自民党・道民会議)の質問に対し、「年内に有識者からなる検討会議を設置し、三つの視点を中心に議論していただくとともに、道議会はもとより、関係団体や広く道民からも意見を伺うなどして、二十九年度末を目途に作成していく」と答弁した。
(道・道教委 2016-09-14付)
その他の記事( 道・道教委)
実行委で「アウトメディア」検討 インストラクター育成を 札幌市教委との連携が重要
道子どもの生活習慣づくり実行委員会(佐藤彰会長)は十四日、毎日札幌会館で本年度二回目の会合を開いた=写真=。「どさんこアウトメディアプロジェクト」が道民に浸透し、日常的な取組として継続され...(2016-09-16) 全て読む
道教委・鶴羽委員が教育状況調査 ALの実践に関心―滝川西高 市の国際理解教育など視察
【岩見沢発】道教委の鶴羽佳子委員は二日、滝川西高校(阿部孝志校長)および滝川市役所を訪れ、教育状況調査を行った。滝川西高でオールイングリッシュによる英語授業の様子を視察=写真=したほか、市...(2016-09-16) 全て読む
道立近代美術館・「ゴジラ展」が開幕 実物スーツなど690点展示 特美とデザインの世界を紹介
怪獣の代名詞的存在として、日本だけでなく世界的に根強い人気を誇るゴジラ。その造形や特撮映画製作の秘密に迫る特別展「ゴジラ展 特撮映画のヴィジョンとデザイン」が九日、道立近代美術館で始まった...(2016-09-16) 全て読む
本年度は5事業を展開 文科省委託・特別支援教育の体制整備―道教委
道教委は本年度、二十八年度文部科学省委託・特別支援教育総合推進事業「特別支援教育の体制整備の推進」について、五事業を進めている。発達障がいを含む障がいのある幼児児童生徒に対する適切な教育的...(2016-09-15) 全て読む
道教委が道研と16校を結び遠隔研修会 他者と学ぶ力育成に効果 信州大の東原教授講演
道教委は九日、江別市内の道立教育研究所と全道の研究開発学校など十六校とを遠隔授業システムで結び、「遠隔授業にかかる研究開発の遠隔研修会」を開いた=写真=。信州大学学術研究院教育学系教授の東...(2016-09-14) 全て読む
空知局が管内学校安全推進会議開く 児童生徒守る体制整備へ 交通安全や防犯意識高揚図る
【岩見沢発】空知教育局は八月下旬、空知合同庁舎で管内学校安全推進会議を開催した=写真=。幼稚園、小・中・高校、特別支援学校や教育委員会の関係者約六十人が参加。管内の学校・行政による実践発表...(2016-09-14) 全て読む
上川局が小学校教育課程改善協議会 主体的学習の実現目指す 道北4管内から120人が参加
【旭川発】上川教育局は、八日から二日間にわたって、旭川トーヨーホテルなどで二十八年度小学校教育課程改善協議会を開いた=写真=。上川・留萌・宗谷・オホーツクの四管内から百二十人が参加した。全...(2016-09-14) 全て読む
学力・体力向上に向け根室局独自事業 家庭学習・運動習慣改善へ 親子が各種プログラム体験
【根室発】根室教育局は八月中旬、中標津町総合文化会館で「親子学力UP↑教室+体力UP!」を開催した=写真=。管内の小学校低学年の児童とその保護者が参加し、各種プログラムを通して学力や体力の...(2016-09-14) 全て読む
特センが指導技術研修講座開く 社会参加への支援法探る 性の指導で基調講義など
道立特別支援教育センターは八月上旬の二日間、同センターで二十八年度「特別支援学校指導技術研修講座」を開催した。特別支援学校の寄宿舎指導員、実習担任教諭、実習助手四十四人が受講。初日、元小樽...(2016-09-14) 全て読む
メンタルヘルスセミナー上川会場 「いつもと違う」に注意 早期対応や再発防止策など学ぶ―道教委
【旭川発】道教委と公立学校共済組合道支部は六日、旭川市内の上川教育研修センターで二十八年度メンタルヘルスセミナー(上川会場)を開催した=写真=。空知、留萌、上川、宗谷、オホーツクの五管内か...(2016-09-13) 全て読む