道高教組・道教組が緊急要求書 被災校の教育環境整備を 台風被害対応で道・道教委に
(関係団体 2016-09-09付)

 道高教組(國田昌男中央執行委員長)と道教組(川村安浩執行委員長)は六日、道・道教委に対して、「台風10号等による暴風雨、土砂災害、浸水被害にかかる緊急要求書」を提出した。被災地からの聴き取り調査をもとに、「被災地の困難は一層深刻度を増している」ことから、被災校の施設・設備の状況の早急な調査と修理・修繕など教育環境を整備することを要請。併せて、児童生徒の心のケアや健康保持などを求めている。

 要求内容はつぎのとおり。

          ◇          ◇          ◇

1.被災校の教育環境整備について

(1)施設・設備の被害状況を早急に調査し、修理・修繕すること。

(2)被災した教育備品、教材などについて、調査の上、措置すること。

2.子どもの心のケア、健康保持、支援について

(1)被災した児童生徒に、授業料無償化の拡大、校納金の免除・代替、教科用図書購入費、制服購入費および修学旅行費の全部または一部の給付、高校入学検定料の免除など、緊急の就学援助を行うこと。

(2)被災によって遠距離通学を余儀なくされている児童生徒に交通費を補助すること。

(3)保護者・子どもの要望をもとに、スクールバスの本数を増発するよう市町村や関係各所に働きかけること。

(4)通学や就職、進学試験等へ支障が出ないよう、被災地の道路やJRの復旧を急ぐとともに、代替交通機関の運行や増便を関係各所に働きかけること。

(5)九月五日からの就職応募書類の提出、九月十六日からの就職試験に向け、被災した高校生の就職希望者が不利益を被ることがないよう、道経済連合会や道商工会議所連合会等の経済団体に、特別な配慮をするよう働きかけること。

(6)要望のあった学校には、教職員や養護教諭を加配すること。

(7)災害を体験した子どもたちの心のケアのため、要望のあった学校には、スクールカウンセラーを配置すること。

(8)生活困難な子どもや家庭への支援を強化すること。スクールソーシャルワーカーを増員し、要望のあった自治体に配置すること。

(9)被災した進学希望者には、返済不要の奨学金を給付すること。また、無利子奨学金借入枠の拡大と返済期間の延長を行うこと。

3.教育課程・教育内容について

(1)様々な困難をかかえる被災校において、教職員が十分に子どもと向き合えるような時間が取れるよう配慮すること。

(2)各学校において編成された教育課程を尊重し、学校の教育活動を支えるよう尽力すること。

(3)臨時休校や災害による通学困難となった学校の実態や現場の裁量を最大限に尊重し、画一的な「授業時数確保」の押し付けを行わないこと。

(4)臨時休校の判断基準を再確認し、交通機関や道路の状況によって登校が難しいと思われる場合は、児童生徒の安全を最優先し、無理に通学させないよう各学校・教育委員会を厳しく指導すること。

(5)保護者の失業や死亡、家を失うなど様々な困難をかかえ、悪条件の中での学習を余儀なくされている被災地の受検生について、十分な配慮を行うこと。

4.教職員の勤務条件整備、健康保持、生活支援について

(1)教職員の心のケアとメンタルヘルスの維持のため、最大限配慮すること。

(2)「特殊業務手当」など実績どおり支給すること。

(3)災害時、災害後の教職員の勤務と保障を明確にし、割り振り変更もきちんと行うこと。

(4)児童生徒の安全確認などで使用した携帯電話代などの自己負担分を保障すること。

(5)交通機関や道路の状況によって通勤が難しいと思われる場合は、教職員の安全を最優先し、無理に通勤させないよう各学校・教育委員会を指導すること。

(6)ボランティア休暇を積極的に取るよう、校長や各市町村の教育委員会に働きかけること。

(7)被災した教職員に対して、教育活動にかかる書籍文具類購入や住宅再建・確保、通勤用自家用車購入等の財政補助をするなど、生活支援を強化すること。

(関係団体 2016-09-09付)

その他の記事( 関係団体)

道小第59回教育研究小樽大会 挑戦する子育む学校経営を 分科会や記念講演などで研鑚

道小教育研究小樽大会  【小樽発】道小学校長会(松井光一会長)は九日から二日間、小樽市民会館を主会場に、第五十九回教育研究小樽大会を開催した=写真=。大会主題「新たな知を拓き 人間性豊かな社会を築く日本人の育成を...

(2016-09-13)  全て読む

札幌市中学校教頭会が9月定例会 体力向上の取組充実を 講話で指導のポイント理解

札幌市中学校教頭会9月研修会  札幌市中学校教頭会(森剛彦会長)は八日、札幌市立中島中学校で九月定例会・研修会を開催した。今後の研修会の概要について確認したほか、講話を実施=写真=。教頭としての資質能力の向上を図った。 ...

(2016-09-13)  全て読む

新得高等支援に支援金を贈呈へ 道特別支援学校長会

 道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)は七日、台風の被害を受けた新得町に所在する新得高等支援学校(日向正明校長)に対し、学校支援金を贈り、支援することを決めた。  今回の台風で、同校施設自...

(2016-09-12)  全て読む

札幌市中学校長会が法制・経営研 子に基本となる学力を 札商の高向会頭が講演

市中学校長会法制・経営研修会  札幌市中学校長会(大塚伸一会長)は七日、ホテルライフォート札幌で二十八年度法制・経営研修会を開催した=写真=。札幌商工会議所会頭の高向巖氏が「中学校の先生方にお願いしたいこと」と題して講演...

(2016-09-12)  全て読む

道私立中学高校協会が私立学校展 特色ある教育活動紹介 個別ブースで進学相談も

北海道私立学校展  道私立中学高校協会(森本正夫会長)主催の北海道私立学校展が四日、ホテル札幌ガーデンパレスで開かれた=写真=。各校の個別ブースでは、入試の実施要領、カリキュラムやコースなどについて担当者が説...

(2016-09-12)  全て読む

指針と計画の見直し要求 高・特配置計画に対して声明―道高教組と道教組

 道高教組(國田昌男中央執行委員長)と道教組(川村安浩執行委員長)は七日、道教委の「公立高校配置計画」「公立特別支援学校配置計画」に対し、「教育の機会均等、子どもの学習権を脅かす〝指針〟と〝...

(2016-09-09)  全て読む

被災生徒の就職試験へ配慮要請 高校生・若者の就職難を考える道連絡会

 高校生・若者の就職難を考える北海道連絡会(國田昌男代表)は六日、道経済連合会など経済団体四団体に対し、台風の被災生徒へ就職試験での配慮などを求める緊急要求書を提出した。  要求書では、一...

(2016-09-09)  全て読む

道教育振興会が女性フォーラム 〝ネットは玄関の外側〟 トラブル回避のコツ学ぶ

振興局女性フォーラム  道教育振興会(紺野忠一郎会長)は二日、札幌市立中島中学校で第二十回教育を考える女性フォーラムを開いた=写真=。テーマは「ネットトラブルから子どもたちを守ろう!Part2~安心・安全に使うた...

(2016-09-09)  全て読む

札教組が第48次教育研究集会全体会 子の貧困、教育で救って 記念講演で弁護士2人が対談

札教組研究集会全体会  札幌市教職員組合(筒井比呂志執行委員長)は二日、北海道教育会館で第四十八次札幌市教育研究集会全体会を開催した=写真=。約三百人が子どもたちを育成する豊かな教育の実現に向け、基調報告や記念講...

(2016-09-09)  全て読む

釧路市教育振興会と釧路教育振興会 今日的課題を共通理解 合同教育講演会に229人参加

教育振興会合同公演会菅原氏  【釧路発】釧路市教育振興会(谷川富成会長)・釧路教育振興会(中嶋嘉昭会長)は八月二十七日、釧路センチュリーキャッスルホテルで第三十六回合同教育講演会を開催した。釧路市・釧路管内の小・中・高...

(2016-09-09)  全て読む