札教組が第４８次教育研究集会全体会　子の貧困、教育で救って　記念講演で弁護士２人が対談

（関係団体 2016-09-09付）

「貧困時代～社会の監獄に閉じ込められた若者たち」と題して対談

　札幌市教職員組合（筒井比呂志執行委員長）は二日、北海道教育会館で第四十八次札幌市教育研究集会全体会を開催した＝写真＝。約三百人が子どもたちを育成する豊かな教育の実現に向け、基調報告や記念講演に耳を傾けた。

　冒頭、筒井執行委員長があいさつ。集団的自衛権の行使を容認する法案の強行採決や、国家に都合のよい価値観を強要する教育施策など安倍政権を批判。「私たちは子どもたちに対して真実を貫く民主的な教育を行う責任がある」と述べた。

　また、「子ども一人ひとりの学びを保障するとともに、楽しい学校づくりを教職員全員ですすめなければならない」と述べ、「ゆがめられた教育施策の転換を図る運動をつくり上げるため、この会を通して積極的に論議し、連帯の輪を広げていくなど地域に根ざした主体的な取組を築き上げることが必要」と呼びかけた。

　来賓あいさつでは札幌市議会議員の長谷川衛氏が登壇。「日常実践を積み重ねてこれからも教育研究集会を続けていってほしい」と呼びかけた。

　来賓紹介やメッセージ紹介に続き、岡村孝一執行副委員長が基調報告。国の動向にふれ、「子どもが主人公の学校づくりを実現する教育実践を進めていかなければならない」と述べたほか、「ゆとりがあって分かる授業、楽しい学校を目指し、子どもを中心に据えた実践とはどうあるべきかを教育研究集会を通して論議していこう」と呼びかけた。

　このあと、講師としてＮＰＯ法人ほっとプラス代表の藤田孝典氏と句報法律事務所弁護士の棗一郎氏が「貧困時代～社会の監獄に閉じ込められた若者たち」と題して対談。十五歳から三十九歳までの若者の実態について、一過性ではなく一生涯で様々な生活の困難さや貧困に直面していることを説明した。

　給料が上がらないほか、労働基準法を守らないブラック企業や学校生活に支障を来すブラックバイトにふれ、その事例を紹介。若者が苦しい状況とならないためにも、小学生から大学生までの発達の段階に応じて労働のルールや組合法など日本の法律を教えるべきと強調した。

　なお、教育研究集会の分科会は、九月三十日と十月一・二日に北海道教育会館で行われる。

(関係団体 2016-09-09付)