道議会文教委における質問・答弁概要(28年8月2日)(道議会 2016-11-24付)
道議会文教委員会(八月二日開催)における丸岩浩二委員(自民党・道民会議)、加藤貴弘委員(自民党・道民会議)の質問、および杉本昭則教育部長、村上明寛総務政策局長、加賀学施設課長(当時)、伊賀治康教職員課服務担当課長、山本純史特別支援教育課長、川端雄一学校教育局参事(生徒指導・学校安全)、長内純子文化財・博物館課長の答弁の概要はつぎのとおり。
◆飲酒運転根絶「決意と行動」
丸岩委員 道立学校における取組は進んでいるものの、市町村教委における取組が一部に限られている。市町村教委の取組が進まなければ、小・中学校の取組も進まない、教職員の飲酒運転根絶は難しくなると考える。
これまで、道教委では市町村教委に対して、どのような働きかけを行ってきたのか伺う。
伊賀教職員課服務担当課長 市町村教委に対する働きかけについて。道教委では、飲酒運転根絶に向けた「決意と行動」の検討段階から、都市教育委員会連絡協議会、町村教育委員会連合会への情報提供を行うほか、各教育局において、臨時の市町村教育長会議を開催し、取組の趣旨や必要性を説明した上で、道教委と同様の取組を働きかけてきた。
また、取組の通知に当たっては、すべての市町村教委が取組しやすいよう市町村教委用の「決意と行動」の例を示したほか、道立学校で使用する「飲酒運転根絶誓約書」や「飲酒運転根絶カード」など、すべての様式の情報を提供するなど、小・中学校においても道立学校と同様の取組が行われるよう、市町村教委に働きかけてきた。
丸岩委員 七月十三日にこの取組が始まってから、きょうまで日数が経過しているが、いまだ、取組計画を策定していない市町村教委はどのくらいあり、なぜ、すぐに策定していないのか伺う。
伊賀教職員課服務担当課長 市町村教委における取組計画の策定状況について。道教委では、各市町村教委に対して、七月八日付で通知を発出し、道立学校に通知した「決意と行動」や、市町村教委用の「決意と行動」の例などを示して、教職員の飲酒運転根絶の取組計画の策定について働きかけており、現時点で、約四五%の市町村教委で策定済みである。
また、約五三%が策定予定、約二%が検討中となっており、こうした市町村教委においては、学校における具体的な取組内容の検討や、首長部局の職員の取組との調整などから時間を要しているものと承知している。
なお、現時点で取組計画を策定していない市町村も含め、すべての市町村教委において、実施可能なものから飲酒運転根絶に向けた具体の取組が始められている。
丸岩委員 市町村教委がこの取組を検討している間においても、教職員の飲酒運転が発生することが懸念されるが、検討中に万が一、教職員の飲酒運転が発生すれば、その市町村住民はもとより、道民全体に対する説明責任を果たす必要があると考えられる。市町村教委における公表の検討については、どのような状況であるのか伺う。
伊賀教職員課服務担当課長 飲酒運転発生時の公表について。万が一、飲酒運転が発生した場合、今後は、市町村教委から、道教委に設置した交通違反速報室に報告を求め、情報の整理・分析のほか、必要な助言を行うこととしており、道教委としてはすべての市町村教委に、道立学校に準じた公表を行うよう求めている。
市町村教委における公表については、現時点では約八八%が公表することとしており、首長部局の職員の取組との調整を行っていることなどから、約一二%が公表することを検討中としている。
丸岩委員 道教委における、二十五年度から二十七年度までの三年間の飲酒運転による処分の件数は、事務局はゼロ件、道立学校は二件に対し、市町村立学校は六件となっている。職員の比率からみても、市町村立学校の教職員における処分の件数が多い状況となっており、服務監督権限を有する市町村教委は、教職員の飲酒運転根絶に向け、しっかりと取り組むべきと考える。
これまでの答弁では、道教委と市町村教委の間の飲酒運転根絶に向けた取組に対する認識に大きな違いがあると言わざるを得ない。今後、こうした認識の違いをどのように解消していくのか伺う。
杉本教育部長 飲酒運転根絶に向けた市町村教委の取組について。道教委としては、児童生徒に交通安全を指導する立場にある教職員の飲酒運転は、あってはならないものであり、知事部局や道警本部とも連携して、取組を共有しながら、飲酒運転の根絶に向けた取組を徹底していく考えであり、すべての市町村教委においても、危機感を共有し、条例制定の趣旨やこの取組の必要性を十分理解し、取り組むことが重要と考える。
今後、取組に時間を要している市町村教委に対し、教育局を通じて個別に、あらためて取組の必要性を丁寧に説明するなどして、強く働きかけ、飲酒運転の根絶に向け、道教委と市町村教委が一丸となった取組が進むよう、最大限努力していく考えである。
― 指 摘 ―
丸岩委員 昨年の第四回定例会で可決・制定された「飲酒運転根絶条例」では、「飲酒運転をしない、させない、許さない」という認識を社会全体で共有し、飲酒運転を根絶するための社会環境づくりを官民一体となって行うことが求められている。
私は、この条例の理念の実現のためには、事件・事故が発生した際に行われるような集中的な対策ではなく、一人ひとりの意識改革につながるような平素からの地道な取組こそが最も重要であると考える。
そうした取組が、持続的・効果的に行われるためには、道教委の果たすべき役割は、より一層重要になると考える。今後しっかりと取り組まれるようお願い申し上げる。
◆位置情報を活用したゲーム
加藤委員 先日、スマートフォンの位置情報を利用したゲーム「ポケモンGO」の配信が開始されたが、先行して配信されていた海外では、歩きながらの利用による事故や立ち入り制限区域への立ち入り、国内においては、ひったくり被害や交通事故など様々な問題が発生している。
道内においても、ゲームをしながら自転車に乗っていた小学生と大学生が衝突事故を起こすなどの事故が発生しており、今後、交通事故や公共マナーを逸脱した利用によるトラブルが発生することが懸念される。
道教委では、児童生徒への注意喚起や学校施設の安全管理についてどのように考えているのか伺う。
また、このような問題については、学校はもとより、家庭でしっかり対応することが重要である。
道教委として、家庭や学校等への指導について、どのような対策を講じているのか伺う。
川端学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 児童生徒等への注意喚起について。児童生徒のスマートフォン等の使用については、これまでも、指導資料等によって、家庭における利用のルールづくりや個人情報の取扱いのほか、自転車を運転しながら使用しないことなど、交通安全の観点からも各学校等に対し、指導助言してきた。
しかしながら、今回配信された位置情報を活用したスマートフォンゲームは、実際の風景の中に現れるキャラクターを捕獲して遊ぶ内容であり、歩きながらスマートフォン等を操作することや、立ち入り禁止区域など不適切な場所に侵入するなど公共マナーに違反する行為の増加も危惧されることから、これまで以上に児童生徒への指導を徹底する必要があると考えている。
また、同ゲーム利用者による学校の敷地内への侵入も懸念され、各学校においては、児童生徒を守るための安全管理を一層徹底する必要があると考えている。
道教委においては、道立学校や市町村教委に対して、ことし七月に文部科学省から発出された同ゲームにかかわる通知に基づき、学校の安全管理や児童生徒への指導上の留意点などについて、通知によって指導するとともに、道PTA連合会等や社会教育施設に対しても保護者等への注意喚起について依頼しており、今後とも、児童生徒の利用状況に応じて、必要な指導等を行っていく。
加藤委員 立ち入り禁止区域など不適切な場所への侵入防止策としては、そもそもゲームのキャラクターを出現させないようゲームの配信元などに申し入れることが一番有効な対策ではないかと考える。
学校や社会教育施設以外にも遺跡や文化財など、一度破壊されてしまえば復元が不可能であったり、復元までに長い時間を要する個所については、保護に向け早急に対策を講じるべきと考えるが、道教委の見解を伺う。
長内文化財・博物館課長 文化財等の立ち入り禁止区域への対応について。遺跡や文化財については、後世に引き継ぐべき貴重な財産であることから、文化財保護の観点から立ち入りが制限されている場所もあり、位置情報を活用したスマートフォンゲームを行うため、歩きながら操作することなどによって、そのような場所に侵入することが懸念される。
道教委としては、ことし七月、文科省から発出された同ゲームに関する通知に基づき、文化財等を管理する市町村教委に対し、啓発資料の掲示や不審者の侵入防止に関する施設内外の安全管理などについて、注意喚起をしており、今後とも、文化財等の適切な管理に向け、文化庁はもとより、市町村教委など文化財の管理者と連携を図りながら、削除申請などの必要な対応を検討していく考えである。
― 意 見 ―
加藤委員 この件については、今後もいろいろな問題が発生するおそれがあると思うが、何かが起きてから行動するのではなく、トラブルが発生する前に早めの対策を講じることが、何よりも大切だということを申し上げておきたい。
◆学校の安全確保について
加藤委員 七月二十六日未明に神奈川県の障がい者施設に刃物を持った男が侵入し、入所者十九人が殺害されるという大変痛ましい事件が発生した。犯行は障がいをもった方々を意図的に狙った卑劣極まりないものであり、断じて許すことはできない。
そこで、こうした事件が発生した場合、模倣犯の出現も心配され、道内の学校においても、児童生徒の安全確保に万全を期す必要があると思うが、道教委としてどのように対応するのか伺う。
川端学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 学校における不審者への対応について。道教委においては、二十五年三月に作成した『危機管理の手引』の中で、不審者の侵入に備え、不審者が校内等に立ち入った場合の教職員の役割分担や避難経路、誘導方法、関係機関への連絡体制などを定めており、それにもとづき各学校が、危機管理体制を確立するとともに防犯訓練を実施するなど、緊急時に適切に対応できるよう、これまでも指導してきている。
道教委としては、今回の事件を受け、先月、文科省から発出された「学校における安全管理の徹底等について」の通知を踏まえ、あらためて夜間や休日を含めた学校や寄宿舎における児童生徒等の安全管理体制の検証を行うとともに、学校や地域の実情に応じて、警察等の関係機関と連携した学校安全対策を講じるよう、道立学校や市町村教委に対し、通知によって指導してきており、今後、各管内で開催する学校安全推進会議において効果的な不審者対応の在り方について事例研究を行うなどして、学校等における安全管理の一層の徹底が図られるよう努めていく。
加藤委員 特別支援学校、特に寄宿舎を設置する特別支援学校においては、夜間・休日等も含めて安全確保を進める必要があると思うが、道教委の対応について伺う。
山本特別支援教育課長 特別支援学校における対応について。各学校においては、児童生徒の安全対策として、学校独自に災害や不審者などの危機管理の対応マニュアルを作成し、職員の共通理解のもと、安全確保の徹底に取り組んでいるほか、寄宿舎を設置している学校においては、寄宿舎独自のマニュアルを定め、避難訓練や不審者対応訓練などを行っている。
道教委では、今回の事件を受けて、現在、すべての特別支援学校に対して、危機管理の対応マニュアルにおける不審者対応の具体的な手順等について、再度、確認を行っており、今後は、各学校の効果的な対応方策を学校訪問や、各種会議等を通じて紹介するなどして、夜間や休日も含めた安全管理体制について万全を期すようあらためて指導していく。
― 指 摘 ―
加藤委員 今回の事件は、障がいのある人に対する深刻な偏見によって引き起こされたものという見方がなされている。
また、子どもたちの間では、依然として、周りとの小さな違いが引き金となり、深刻ないじめにつながるケースも多いと聞く。
人は誰一人として同じ人はいない、みんなが違いをもっていて、その違いを生かしながら、助け合って暮らしていくのだということ、まさに、みんな違ってみんないいということを、一人ひとりの意識としてもつことの重要性を、あらためて認識させられる。
二〇二〇年の東京オリンピック、パラリンピックを機に、国は、あらゆる人が共生する社会の実現に向け、互いを尊重し、理解し合う、「心のバリアフリー」推進を打ち出し、学校教育全体で障がいのある人への理解を深めるなど、先の中間取りまとめが公表されたと承知している。
このような取組をより実効性のあるものとするためには、家庭・地域・学校が一体となった取組を進めることが大切であると考える。
「みんな違っていい」が当たり前となるように、道教委がその中心となって、取り組まれるよう、強く申し上げる。
◆学校施設の耐震改修状況
加藤委員 文科省から二十八年四月一日現在の「公立学校施設の耐震改修状況調査」の結果が公表された。
これによると、全国の公立小中学校における耐震化率は九八・一%であるのに対し、道内の耐震化率は九三・〇%で前年よりも四・八ポイント上昇してはいるものの、依然として全国より五ポイント以上低い状況である。
また、屋内運動場等における吊り天井等の落下防止対策の状況では、吊り天井を有する棟については、全国では三七・二%が実施済みであるが、道内は一七・一%であり、全国より二〇ポイント以上低い状況である。
なお、吊り天井を有していない棟については、全国では六四・四%に対して道内は七一・二%と全国平均は上回っているが、まだ、対策が必要な施設が多数ある状況となっている。
そこで、以下数点伺う。
校舎等の耐震化についてであるが、耐震化率が七〇%未満の市町村が十一市町村、学校数が三十八校となっているが、これらの耐震化率の低い市町村の改修計画はどのようになっているのか伺う。
加賀施設課長 耐震化率の低い市町村の改修計画について。耐震化が完了していない三十八校のうち、今後、廃校等によって校舎が未使用となる十一校を除く二十七校の計画は、本年度中に耐震化が完了するのが二市で六校、二十九年度中の完了が五市町で七校、今後、改築事業等に着手し、三十年度中の完了を計画しているのは四市町で四校となっている。
なお、三十一年度以降は五市町で十校となっているが、そのうち、四市町五校については、学校の統廃合の検討などによって、耐震化の完了が見通せない状況である。
加藤委員 四月に熊本地震が発生し、国を挙げて復興に向け取り組んでいるが、地震がいつどこで発生するか分からない。そこで伺うが、震度6強以上の大地震に対して、校舎が倒壊または崩壊する危険性が高いとされる、耐震指標であるIs値が〇・三未満の学校は前年度と比べどの程度減少しているのか、また、その学校を所管する市町村では、耐震化に向けどのように取り組むことになっているのか伺う。
加賀施設課長 Is値が〇・三未満の学校数などについて。Is値が〇・三未満の棟を有する小・中学校は、前年度に比べ二十一校減少し、二十二市町で四十校となっている。
このうち、今後、廃校等によって校舎が未使用となる六校を除く三十四校の計画は、本年度中に耐震化が完了するのは七市町で十一校、二十九年度中の完了が六市町で七校、今後、改築工事等に着手し、三十年度中の完了を計画しているのは四市町で四校となっている。
なお、三十一年度以降は七市町で十二校となっているが、そのうち、四市町六校については、先ほどお答えしたのと同様に、学校の統廃合の検討などによって耐震化の完了が見通せない状況である。
加藤委員 屋内運動場等における吊り天井を有する棟数が七十あり、そのうち対策実施済みの棟数が十二となっている。
災害発生時には地域の避難所の役割を果たすべき体育館の八割以上の五十八棟が対策未実施であり、安全対策がなされていない状況である。未実施の五十八棟の年次計画はどのようになっているのか伺う。
加賀施設課長 対策が未実施の五十八棟の計画について。本年度中に落下防止対策が完了するのは十七市町で二十九棟、今後、改修工事等に着手し、二十九年度中の完了を計画しているのが十一市町で十七棟、三十年度中が三町四棟となっている。
なお、三十一年度以降は六市町で八棟となっているが、そのうち、四市町五棟については、学校や他の公共施設の建物の耐震化事業を優先して行う計画であることから、落下防止対策の実施時期は、いまだ定まっていない状況である。
加藤委員 吊り天井を有していない棟についての落下防止対策では、全国平均を上回っているが、熊本地震では、体育館の強度を維持するための鉄骨材が折れたり、天井、ガラス、外壁のひび割れが発生し、地震に対する非構造部材の弱点があらためて課題になったと承知している。
各市町村では、文科省のガイドブックを参考に点検や対策の推進を図っていると思う。道教委として、非構造部材の耐震対策について、市町村に対する指導をどのように行っていくのか伺う。
加賀施設課長 非構造部材の耐震対策について。道教委では、これまで、市町村を対象とした研修会等において、文科省が作成した『学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック』に示しているチェックリストを活用した定期的、継続的な点検を要請するとともに、耐震対策にかかる技術的な指導や助言を行ってきたが、熊本地震において、非構造部材である天井材の落下などによって屋内運動場が避難所として使用できない事例もあったことから、あらためて、非構造部材の耐震対策についても、可能な限り速やかに完了させる必要があると考えている。
こうした中、文科省では六月に「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」を設置し、学校施設整備の効果の検証や安全性など非構造部材の耐震課題についての議論を開始しており、今後、こうした動きを注視しながら、市町村における非構造部材の耐震対策の年次計画を把握した上で、引き続き、技術的な指導や助言を行うとともに、事業の前倒しなどを働きかけていく考えである。
加藤委員 国の二十八年度学校環境改善交付金の採択において、予算が確保できずに多数の採択が見送られ、その後、一部追加採択されたが、いまだ事業計画の半数近くの事業が未採択のままになっていると承知している。
事業の中には、耐震化にかかわる事業もあると思うが、道教委として、どのような認識をもっているのか伺う。
村上総務政策局長 未採択事業について。本年度当初、市町村が計画している学校施設整備事業において、耐震対策となる校舎改築事業や防災機能強化事業を含め、多くの事業が未採択であったことから、五月には、国に対し、財源確保に向けた緊急要望を実施したほか、全国公立学校施設整備期成会や全国都道府県教育長協議会などと連携した要望も行った。
その後、一部追加採択がなされたが、いまだ半数近くの百二十事業が未採択となっており、道教委としては、国の財政状況によって、市町村の負担増や事業の見直しが行われることは、当該年度のみならず、校舎等の耐震化も含めた将来的な施設整備計画にも大きな影響を及ぼすものと認識している。
今後、市町村など関係機関とも連携を図りながら、国の文教施策に関する要望をはじめ、あらゆる機会を捉え、市町村が計画しているすべての事業が円滑に実施できるよう、国に対し、補正予算の編成を含めた財源確保について一層働きかけていく。
加藤委員 道内においても、六月には函館で震度6、七月下旬にも、十勝地方で震度4の地震が発生しており、大規模な地震がいつどこで発生するのか分からない状況である。
児童生徒や地域住民の安全を確保するため、学校施設の耐震化は早急に進めるべきである。校舎等の耐震化は九割を超えたものの、依然として全国平均を下回る状況となっており、吊り天井等の非構造部材の落下防止対策は、全国平均を大きく下回る状況となっている。
これらの状況を踏まえ、今後、どのように取り組んでいくのか見解を伺う。
杉本教育部長 今後の取組について。熊本地震をはじめ、道内でも大きな地震が発生している中、本道の小・中学校校舎等の耐震化率は上昇してはいるものの、いまだ完了していない市町村が残っており、また、吊り天井等の落下防止対策も全国平均を下回っていることは、大変重く受け止めている。
学校は、児童生徒の生活や学習の場であるとともに、災害発生時には地域の避難所としての役割も担うことから、安全安心な施設の整備は、極めて重要な課題であり、道教委では、これまで、校舎等の耐震化はもとより、落下防止対策についても、直接、市町村を訪問し、早期完了に向けた取組を要請してきた。
今後においては、三十二年度まで延長された国庫補助率の嵩上げ措置を活用した市町村の今後五年間の校舎等の耐震化計画や吊り天井等の落下防止対策の計画を把握した上で、早期の耐震対策の完了が見通せない場合には、知事と教育長との連名による要請を行う中で、事業の前倒しなどを働きかけるとともに、将来を見据えた計画的な整備が着実に実施できるよう必要な財源措置について国へ要望するなど、可能な限り速やかに学校施設の耐震対策が完了するよう、なお一層積極的に取り組んでいく考えである。
(道議会 2016-11-24付)
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