【新春インタビュー 4種校長会長に聞く①】大きな改革控え初心に戻って―道小学校長会長・松井光一氏
(関係団体 2017-01-12付)

4種校長会長聞く・道小学校長会松井光一
道小学校長会・松井光一会長

 ―ことしの初夢は何でしたか。

 「アンパンマン」の作者・やなせたかし氏、「ケンタッキーフライドチキン」のカーネル・サンダース氏、「人間だもの」の相田みつを氏が、そろって初夢に出てきました。三人とも六十歳を過ぎてから活躍した遅咲きの人たちばかりです。その中の一人、相田みつを氏がつぎのような歌を詠まれました。

 「明け方の 冷えのきびしさ アトリエに 筆を持たんと 背筋を伸ばす」。そこで、私はその歌を「北海道 冬の厳しさ 教室に 授業をせんと 背筋を伸ばす」と教員バージョンで詠んでみせました。

 大きな教育改革を前にした私たちにとって、初心に戻る教師の立ち位置を示す一首になったと思ったら、夢が覚めました。

 ―道小として、新年に展望していることは。

 二十九年は、つぎの三点が大きな展望です。

 一つ目は、「道小学校長会の新たな組織づくりの第一歩の年」となることです。

 三十七年、八年後には、道小の予測として、全道の小学校数は九百五十六校となります。現在は一千五十八校なので、約百校減少することになります。

 このような状況のなか、道小は、企画研修委員会を毎年立ち上げ、継続的に多面的な論議を重ねてきました。昨年の理事研修会において、会費の値上げやむなしとの報告が出されましたので、全道二十地区に説明責任を果たしながら、今理解を求めているところです。

 会費の値上げだけではなく、さらなる組織の変革を含めて、ことしも企画研修委員会を立ち上げ、さらなる抜本的な組織改革に手を付けていかなければなりません。

 現在、全国連合小学校長会は、日本を八地区に分け、持ち回りで全国大会を開催しています。例えば、ことしの全国大会四国地区の高知県は、三十二年ぶりとなります。四国は四県ですので、特別な事情がない限り、四国各県は三十二年に一回の全国大会の開催となりますが、北海道は一道なので、八年に一回の全国大会開催となるのです。

 他都府県に比べ全国大会の頻度が高く、大変だと思う感覚もありますが、先輩諸氏がいろいろと考えてくださった八年に一回の全国大会は、その時々の教育情勢を視野に入れ、研修を重ねながら取り組んできたため、全連小から「全連小の研究は、北海道に期待している」といわれ、その内容や運営が、全国を引っ張っているとの評価を受けているのは事実です。

 このような状況で、道小は全道一区となって全連小に加盟し、多くの理事を出して最新の教育について学ぶ機会を得ています。ことしは、政令指定都市の税源移譲の年です。札幌市が北海道と一つになって、進んで行くことが大切であると考えます。チーム北海道として、ともに歩んでいくことを大切にしながら、今後の活動の在り方を検討していかなければなりません。

 二つ目は、「三十年度に開催される全連小北海道・函館大会の成功を目指した年」となることです。

 先ほどふれたように、全連小の全国大会が、八年に一度北海道にやってきます。前回二十二年度は、北海道・札幌大会として、全国から二千八百人の校長が札幌市に参集し、北海きたえーるや札幌コンベンションセンターで熱心な研究討議がなされました。

 いよいよ三十年度は全連小北海道・函館大会となり、北海道新幹線の玄関口・函館市で行われます。四月からは、全国大会準備委員会が組織され本格的な準備に入ります。全国的に学校数が減少しているので、今回の参加期待数は二千六百人の大会となる予定です。現在、全連小常任理事会において、研究副主題の最終検討が行われていますが、一月中旬の常任理事会、一月末の全国大会打ち合わせ会、二月の全国理事会へと進んでいきます。函館市小学校長会と道小事務局とが手を結び、北海道二十地区の総力を結集して行う大会となるので、来年度の準備委員会を中心にしっかりと体制をつくり、全国大会の開催に向けて努力していく決意です。

 三点目は、「『中央教育審議会答申』や『新学習指導要領の告示』を読み込む学校改善の年」となることです。

 中教審答申が出されたあと、ことし三月に学習指導要領が告示され、六月には学習指導要領の解説が出ると言われています。

 そんな中、「教科書が決まらないと教育課程の編成ができない」という声が多いのも事実です。

 単なる単元配列表や時数配列表ではない、目標と内容を明確にした教育課程を作成し、今回の学習指導要領改訂の趣旨に合った教育活動をしていかなければなりません。早速、ことし四月から、まず学校全体で答申と学習指導要領の読み込みをしていくこと。そして、先の見通しをもって学校評価の在り方を検討し、その中で学校教育目標の見直しをしていくことが必要です。今後四年間を見通した工程表をきちんとつくって教員に示していくことが求められています。

 ―校長会の抱える課題と対策について伺います。

 今、小学校では、学力向上、いじめ対策などの教育課題が山積し、教員がかつてないほど多忙な状況に置かれています。今後、さらに質の高い教育活動を行うためには、教員が心身ともに健康で、一人ひとりの子どもと向き合う時間が確保されることが何よりも大切であり、さらに、学校が組織としての教育力を高めることが重要であります。そのため、現在の小学校の状況に合った教員および専門的職員等の定数を増やすことが不可欠です。

 特に、北海道各地区の困り感として、人的配置が大きな課題となっています。定数内教諭や期限付教諭の不足、管理職やミドルリーダーの人材不足が喫緊の課題です。

 また、学習指導要領が円滑に実施できるようにするための施設・設備・教材等の整備・拡充が課題です。さらに、学校、家庭、地域が一体となって教育を推進するための施策の充実、教育の機会均等などを保障するためのへき地・小規模校の教育を充実させる施策の推進も大きな課題となります。

 昨年は、この課題を解決するために、「チーム北海道」として他の教育関係団体と協働する道小として新たな要望活動を行い、いくつかの成果を上げました。

 財務省の財政論や費用対効果の観点のみの機械的な教職員定数の削減方針に反し、道小・道中学校長会・道PTA連合会が、チーム北海道として、道教委はもちろん、知事部局、道議会にも二度緊急要望書を提出し、強く改善要望の姿勢を示してきました。

 また、教職員の不祥事にかかわって、道小、道中はもちろん、札幌市小学校長会、札幌市中学校長会とも連携を取り、四団体の連名で「不祥事根絶に係わる緊急アピール」を作成し、北海道の各地区にお願いするとともに、道教委へもアピール文を届け、行政と現場とが一体となって不祥事根絶に向けて取り組んでいくことを確認しました。

 ―新年度の重点的な取組。

 新年度の重点的な取組は四点あります。

 一点目は、「最新情報の把握・提供」です。

 学習指導要領改訂をはじめとする教育改革の動向を踏まえ、私たち校長は、最新の正しい情報を素早く手に入れることが適切な学校運営にとって必要です。これからの時代、未来を見据えていくためにも、現状を直視し正しく分析するとともに、将来を予想していく時代感覚が望まれます。アンテナを高くして最新の情報を提供し、すべての校長が共有することを第一に考えていきたいと思います。

 二点目は、「チーム北海道としての意見表明や要望活動」です。

 昨年の成果を踏まえ、「北海道文教施策・予算策定に関する要望書」「チーム北海道としての提言書」「教職員定数の改善についての教育諸条件の整備」等を時宜をとらえて、道小・道中・道Pはもちろん、他の教育諸団体ともコラボレーションして、「チーム北海道」として意見表明や要望活動を行いたいと思います。

 三点目は、「学びに向かう力・人間性という資質・能力へのアプローチ」です。

 教育心理学専門の札幌学院大学・臼井博教授による認知スキルの研修会を終え、その内容の把握と分析、今後の対応策を研修中です。また、道小情報部による、学力・学習状況調査の質問紙項目の分析から、レーダーチャートを作成し、活用に向けたアプローチを開始しました。完成されたコンテンツではなく、進化するアイテムとして、利活用する予定です。

 四点目は、「新生道小組織のスタートに向けて」です。

 道小の存在価値を理解していただける組織になることを目標に、道小組織の一層の強化と活性化に取り組まなければなりません。

 道小は、「正論をもって、正道を歩む」という理念のもと、「未来を見据え、チーム北海道として進む道小」としての姿勢を大切にしながら、今年も本道教育の振興に取り組んでいきます。

 ―ありがとうございました。

(まつい・こういち)

 昭和54年道教育大学札幌分校卒。同年札幌市立八軒西小を振り出しに、58年札幌市立前田北小、平成2年道教育大附属札幌小に勤務。平成9年札幌市教委、16年札幌市立屯田小教頭、18年札幌市立幌南小教頭、21年札幌市立手稲北小教頭、23年札幌市立手稲北小校長を経て、25年から現職の札幌市立手稲東小校長。

 昭和31年11月4日生まれ、60歳。札幌市出身。

(関係団体 2017-01-12付)

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