留萌市教委等　フォーラム特別支援教育を考える　蔦森道教大准教授が講演　発達障がいの理解を

（市町村 2017-02-14付）

市民も多数参加し、特別支援教育への理解と認識を深めた

　【留萌発】留萌市教委等は七日、留萌市中央公民館でフォーラム「特別支援教育を考える」を開催した。道教育大学旭川校教育発達専攻特別支援分野准教授の蔦森英志氏が、困り感のある児童生徒への対応について講演し、教育・福祉関係者や市民ら八十八名が発達障がいのある子どもへの教育・支援方法について理解を深めた。

　同フォーラムは、子どもたちの自立と社会参加に向け、学校・家庭・地域社会などが一体となった取組ができるよう開催。学校関係者をはじめ、市民などが特別支援教育について理解と認識を深めることを目的としている。

　はじめに、留萌市教委の早川隆教育長があいさつ。現在の各小・中学校の実態や、教育的ニーズに応じた支援について説明し、「本フォーラムによって、特別支援教育の方向性が認識され、充実した取組に向けた原動力となれば」と期待を寄せた。

　続いて、道教育大学の蔦森氏が、「行動面または学習面に困り感のある児童生徒への対応について～将来の進路を見据えて～」と題し講演。発達障がいの子どもに多いとされる自閉症スペクトラムや、文字の読み書きを不得手とする発達性ディスレクシアについて、症例と具体的な支援方法を示した。

　蔦森氏は「発達障がいはひとつの個性・特性と捉えられる」とし、「周囲の環境によって、適応・不適応の差が生まれることで外在化していくもの」と解説。

　自閉症スペクトラムについて、「人の特性は基本的には変わらないもの。ライフステージに応じた将来の到達点の設定、生活環境に合わせた補完的なアプローチが重要になる」とし、「〝他者に助けを求める〟サインを見逃さず、最低限の支援のもと、成功を体験させることが重要になる」と述べた。

　発達性ディスレクシアについては、行動面から症状の判断が難しいことから、「言葉遊び等を通した早期の発見・対応が必要」と呼びかけた。

　また、「読み書きが困難だと、子どもは周囲との差に焦りを覚えていく」と説明。「自尊心を傷つけることがないよう、間違いなどを指摘せずに肯定的に補ってほしい」と求めた。

(市町村 2017-02-14付)