道研が第2回運営協議会 ミニ道研の遠隔研修を全管内で 学校経営講座5日間日程に(道・道教委 2017-03-09付)
秋山所長は、豊かな学びの実現に向け、所員一丸で取り組む考えを示した
道立教育研究所は二月二十七日、同所で二十八年度第二回運営協議会を開催した。二十八年度事業の実施状況や事業評価を報告。二十九年度の研修事業に関して、校長、副校長・教頭を対象とした学校経営等研修講座について、三日間日程を変更し、大学と連携した五日間の講座を設定することや、道研から所員が出向いて行う研修では、「ミニ道研」においてワークショップ型の遠隔研修を全十四管内で実施する計画となっていることなどを説明した。
開会あいさつに立った秋山雅行所長は「本道の教育を取り巻く状況や、当研究所の果たすべき役割を踏まえ、子どもたちの豊かな学びを実現するとともに、道民の負託に応えることができるよう、所員一丸となって取り組んでいきたい」との考えを示し、幅広い視点からきたんのない意見、助言を求めた。
議事に移り、渡辺俊之総務部長が二十八年度事業の実施状況について報告。道研を会場とする研修講座として五十三講座を実施し、一千百三十六人が受講。定員に対する充足率は一〇一・二%となったことなどを説明した。
続いて、中澤美明企画・研修部長が二十八年度の事業評価について説明。研修事業の評価について、「キャリアステージに応じた研修の充実」「教員の実践的指導力の向上」など五つの視点から解説した。
うち、キャリアステージに応じた研修の充実では各講座とも、受講者全員から「A」(満足)および「B」(概ね満足)の評価を得たと報告。受講者からは、「学校運営に対する意識が変わった」「学校の教育活動の改善・充実につながることが多数あることに気づいた」などの声が寄せられたことを紹介した。
引き続き、中澤企画・研修部長が二十九年度の研修事業について、「学校経営」六講座、「教科等指導」三十一講座、「生徒指導」三講座、「キャリア教育」一講座の計四十一講座を開設すると説明。
国の動向、道教委の教職員研修の見直し、本年度の講座の反省・受講者の声を踏まえ、基本方針として、①学校経営等に関する研修の充実②今日的な教育課題を踏まえた研修の充実③生徒指導、教育相談の充実④教育の情報化を推進する研修の充実⑤科学的な探究能力の育成を推進する研修の充実⑥本道の広域性等に対応した研修の充実―の六つを設定したことを示した。
また、法定研修について、道研では、初任段階教員研修の一部と中堅教諭等資質向上研修(十年研修)の一部を実施。研修の見直しによる三十年度からの道研での全面実施に向け、新年度は「新任校長研修」「新任教頭研修」「学校運営研修会」について、一部の地域で道研が試行実施する。
全道各地を会場とする研修では、「管内研修センター等連携」研修講座(ミニ道研)は一日日程で二回、遠隔研修によって全十四管内で行う。「市町村教委連携」研修講座については、各管内一市町村で行うこととし、一部でSkypeでの遠隔研修を試行。
プロジェクト研究について、来年度は新規四事業を含め、五つの研究を実施。
そのうち、「新学習指導要領に基づく教育活動の充実」に関する研究(二十九~三十年度)では、高校の「総合的な探究の時間(仮称)」などにおける生徒の主体的な探究を支援する調査研究に着手する。
◆29年度研修事業の基本方針
▼学校経営等に関する研修の充実
校長、副校長・教頭を対象とした研修の拡充として、これまでの三日間日程を変更し、新年度は大学と連携した五日間の講座を設定する。
ミドルリーダー養成講座では、研修の効率化と内容の充実を図るため、受講対象の条件を明示し、主幹教諭と教務主任に限定して実施する。
▼今日的な教育課題を踏まえた研修の充実
次期学習指導要領の趣旨等を踏まえた研修内容を充実。著名な講師による国の最新動向に関する講義・演習を実施する。
今日的な教育課題を踏まえて、指定事業の成果や先進事例などを踏まえた実践的な研修を設定。研究指定校による実践発表などを取り入れた研修を行う。
▼生徒指導、教育相談の充実
児童生徒理解に加え、特別な教育的支援やネットトラブルなど今日求められている生徒指導、教育相談を取り入れた研修を充実。特に、特別な教育的支援を必要とする児童生徒とのかかわり方にかかる研修を実施。
また、子ども理解支援ツール「ほっと」や「いじめ未然防止プログラム」の活用に向けた講義、演習などの充実を図る。
▼教育の情報化を推進する研修の充実
授業における実践的なICT活用指導力の向上を目指し、多様なICT機器の効果的な活用方法や、ICT機器を活用した研修を推進。
また、校務の軽減と効率化、教育活動の質の改善を目指し、校内ネットワークおよび学校Webページの担当者の養成に取り組む。
▼科学的な探究能力の育成を推進する研修の充実
探究の過程を重視した観察・実験の充実に向け、課題の発見・追究・解決のプロセスを取り入れた観察・実験を導入。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)などによる課題探究や評価方法を取り入れた研修の充実を図る。
▼本道の広域性等に対応した研修の充実
広域分散型の地域性に対応した遠隔研修を計画。具体的には、ミニ道研において、ワークショップ型の遠隔研修を全十四管内で実施する。
さらに、効果的・効率的な運営を目指した研修の工夫として、本道における教職員研修の見直しに伴い、研修の改善を図る。
(道・道教委 2017-03-09付)
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