登別市の29年度教育行政執行方針―武田教育長説明 確かな学力へ工夫改善 教育課程課題検討委の分析踏まえ
(市町村 2017-03-22付)

登別市・武田博
登別市・武田博教育長

 【室蘭発】登別市の武田博教育長は、二月二十三日に開会した第一回定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。確かな学力の向上については、市教育課程課題検討委員会の分析結果を踏まえ、指導方法の工夫改善や学習習慣の定着を図る。また、三十年度に期間が完了する市の学校教育基本計画を見据え、教育関係者や保護者、地域、有識者で構成する検討委員会を設置。現状に合わせた教育の在り方や学校の適正配置を整理した上で、新しい計画の策定に取り組む方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

 市の児童生徒には、活用する力の不足や家庭での学習時間が不十分な状況が課題となっているため、確かな学力の向上については、市教育課程課題検討委員会における各学校や市全体の分析結果を踏まえ、指導方法の工夫改善や学習習慣の定着を図るとともに、学習ボランティアの協力のもとで実施している放課後学習教室などを通して、基礎的な学習内容の定着と、学ぶ意欲の向上に努めていく。 

 教職員の指導力の向上については、道教委が指定する学校力向上に関する総合実践事業の成果が、研究会等を通して市内各学校に還元されるよう促すとともに、市教育実践研究奨励校の指定や市教育研究会の活動を奨励し、指導方法の工夫や、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が進められるよう支援していく。 

 豊かな心の育成については、自然体験や社会体験、ボランティアの活動を奨励し、他人を思いやる心や自律心、規範意識等の醸成に努める。また、道徳教育については、三十年度から「特別の教科 道徳」として一層の充実が求められており、各学校における適切な取組が推進されるよう、指導資料の提供や研修機会の充実に努める。

 特色ある教育については、児童生徒一人ひとりの個性を生かし、「生きる力」を育むため、引き続きスキー授業や温泉入浴体験、環境学習など、地域の教育資源を活用した各学校の取組を支援する。

 幼保・小・中連携については、市幼保・小・中連携協議会を中心に、各学校種における教育内容や指導方法など、それぞれの教育活動への理解を深めるとともに、教職員による引き継ぎなどを通して、円滑な接続がなされるよう支援していく。

 学校施設の耐震化については、登別中学校校舎の耐震改修工事と、富岸小学校ならびに幌別西小学校校舎の耐震改修の実施設計に取り組む。 

 不登校やいじめの対応については、登別市不登校・いじめ等対策会議などにおいて、情報を共有し具体的な指導方法を検証するとともに、アンケート調査や教育指導専門員による学校訪問等を通して問題の未然防止や早期対応に努める。 

 特別支援教育については、教育支援委員会との連携を深めながら、個別の教育支援計画や指導計画に基づき、一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援が進められるよう、学校の取組を支援する。 

▼社会教育

 家庭教育については、引き続き市内幼稚園や小学校に家庭教育学級を開設し、学習会や活動展等を実施するとともに、親子のふれあいの場を創出する家族の時間づくりプロジェクトに取り組み、家庭の教育力の向上に努める。

 青少年の健全育成については、市青少年センターを中心に、巡回指導や関係機関・団体との連携、不審者への対応などに取り組み、良好な環境の確保と非行防止に努める。

 文化・スポーツの振興については、新年度も引き続き、市文化・スポーツ振興財団や市文化協会、市体育協会などと連携をして、市民の文化活動への参加や芸術の鑑賞機会の提供、各種スポーツ教室やスポーツ大会の開催に取り組む。 

 学校給食については、衛生管理の徹底を図るとともに、学校生活管理指導表を活用したアレルギー対策を実施し、安全・安心な給食の提供に努める。 

 図書館については、図書資料の整備や情報の提供、レファレンスサービスなどの充実に努めるとともに、図書館運営の指針となる図書館ビジョンの策定に取り組む。また、第二次登別市子ども読書活動推進計画は、二十九年度で期間が終了するため、市立図書館協議会の意見を伺いながら、新たな計画の策定を進める。

(市町村 2017-03-22付)

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