雄武町の２９年度教育行政執行方針―豊田教育長　協働的学びへ授業改善　給食費を全額助成に拡充

（市町村 2017-04-05付）

雄武町教委・豊田通敏教育長

　【網走発】雄武町教委の豊田通敏教育長は、三月上旬に行われた第二回定例町議会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。保護者の負担軽減や、子育てしやすい環境の創造に向けて、給食費を全額助成に拡充することを表明。このほか、全国学力・学習状況調査などの結果を踏まえて、子どもたちが主体的・協働的に課題解決ができるような授業改善を進めていくことを明らかにした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の充実について

　全国学力・学習状況調査、標準学力検査等の分析結果等を踏まえ、「学校改善プラン」を策定し、全教職員の共通理解のもと、授業改善や家庭学習習慣の確立を進めていく。

　授業改善においては、学習環境を整え、学習規律を徹底し、授業のねらいや課題を明確にした問題解決的な学習過程を通して、「何が分かり、何ができるようになったか」を子どもたちが実感し、主体的・協働的に課題を解決できるような指導助言に努めるとともに、義務教育九年間を見通したきめ細かな指導に取り組んでいく。

　また、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果に基づき、各学校における体力運動能力向上策への支援や生活リズムチェックシート、家庭学習の手引きの活用を図り、保護者と学校がより密接な関係を築いて「生活習慣の把握」と、「学習・生活・運動習慣の定着」につなげて、確かな学力の育成を図っていく。

▽心の教育の充実について

　いじめは児童生徒を深く傷つけ、健全な成長を妨げるばかりか人権にかかわる重大な問題であることから、「いじめ防止基本方針」の運用によって、いじめの問題に迅速かつ適切に対応していく。

　また、学習指導要領による「特別の教科　道徳」の趣旨に基づいた全体計画および指導計画を整備し、授業を「考える道徳」へと転換するなどして道徳教育の改善・充実を図り、道徳性を高めていくことが必要なことから、文部科学省発行の『私たちの道徳』の活用を一層進めるため、家庭に持ち帰っての教材活用を高めるなど、学校と家庭が一体となって道徳教育を推進する環境づくりに取り組んでいく。

▽教職員の指導力向上について　

　教職員の自主的研修活動を奨励する教職員教育振興事業のほか、小中高連携委員会や教職員で構成する学校教育振興推進協議会への活動支援等の措置を講じながら、学校の活性化を図りつつ、その成果が児童生徒に反映されるよう適切な対応を進めていく。　

▽学校給食費について

　保護者負担の軽減を図ることによる子育てしやすい環境を創造するため、これまで給食費の一部助成を行っていたが、これを全額助成に拡充する。

▼生涯学習の推進について

▽武雄市との児童交流事業について

　北海道と異なる気候や歴史、文化の中で多くの人との出会いとその経験により、自己の成長に大きな成果を上げていることから、今後も事業を継続するとともに、佐賀県武雄市児童の受入れについては、町内小学校児童との交流および北海道の冬ならではのおもてなしによって、児童相互の交流が深まり、思い出に残るような事業の展開を図っていく。

(市町村 2017-04-05付)