本別町が児童発達支援センターを設置 子の健やかな成長をサポート 3事業中心に多様なニーズ対応
(市町村 2017-04-18付)

 【帯広発】本別町は本年度、国から給付を受け「発達支援センター事業」に着手する。「児童発達支援」「放課後等デイサービス」「保育所等訪問支援」の三事業を大きな柱に据え、前年度閉所した中央保育所に児童発達支援センターを設置する。町では、心身の発達において特別な配慮が必要な児童およびその家族を総合的に支援し、幼児児童生徒の健やかな成長を促す方針だ。

 町は、これまで国や道の給付を受けずに町独自で特別な支援が必要な子どもたちの療育に当たってきた。

 平成元年に本別中央小学校内に「町言語治療教室」を整備し、翌二年には、要綱を定め、教員一人、保育士一人の体制で「町幼児ことばの教室」を開設。発足当初は、言語の発達の遅れや吃音・構音のある幼児児童を対象に相談・指導を行う場としていたが、運営要綱を見直し、発達障がいを含む特別な支援を必要とする幼児・児童を対象に指導を行うこととした。

 十年には、児童相談所に勤務経験がある専門職を採用。発達支援センター化を目指したが、専門職員の退職によってセンター化を断念した。

 十七年からは、「町幼児ことばの教室」と「町発達支援センター」の両看板で運営に当たっている。

 今回の国の給付によるセンター事業化に当たっては、二十七年に設置した「発達支援センター強化ワーキング部会」で、療育ニーズ、管内の状況等を分析し、発達支援センターの強化に必要な機能や町民が利用しやすい組織とサービス提供の在り方などを関係機関が共同で検討・提案してきた。

 こうした中、先月の議会で、同センターの設置にかかる「児童発達支援センター条例」が議決され、ことし八月から本格的に児童発達支援センターへの移行準備を進めることとなった。

 運営に当たって、人員は、保育士ら四人を予定。「児童発達支援」「放課後等デイサービス」「保育所等訪問支援」の三つを柱に事業を推進する。

 児童発達支援事業では、発達に心配のある就学前の児童を通所させ、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のための訓練などを行う。

 放課後等デイサービス事業では、学校通所中の障がいのある児童生徒が放課後や夏休みなどの長期休業中において、生活能力向上のための訓練等を行い、自立を促進する。また、放課後等の居場所づくりに役立てることもねらっている。

 保育所等訪問支援事業においては、センター職員が保育所や子ども園、小・中学校、学童施設などを二週間程度訪問し、障がいのある児童生徒やスタッフに対し、児童生徒が集団生活に適応するための専門的な支援を行う。

 療育にかかる利用者負担は免除される。従来、本別中央小内の「ことばの教室」で担ってきた発達・障がいに関する相談については継続して実施する。

 町子ども未来課は、「幼児児童生徒の健やかな成長を目指して、多様な療育ニーズに対応していきたい」と話している。

(市町村 2017-04-18付)

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