高校存続願い無償で建設　地元建設業者が広尾高下宿舎を

（学校 2017-06-01付）

工事が無事完成するよう願う皆添校長

　【帯広発】広尾高校存続のために―。広尾高校（皆添英二校長）の学生用下宿舎の新設工事を地元建設業者の㈱畑下組が無償で引き受け、工事を進めている。町外からの入学者を支援することで、同校存続につなげたいとの考えから、同社自ら買って出たもの。下宿舎は十月までには完成する予定。

　同校では、スクールバスで町外から通学している生徒がおり、夜遅くまで行う部活動に所属できない現状がある。来年度以降も町外からの入学希望者が予想されることから、校舎近くに学生用下宿舎の整備が求められていた。

　こうした状況を聞きつけた畑下組は「将来の町の活性化のためには町内に高校が必要」「高校存続に一役買いたい」と自ら宿舎の建設を買って出た。

　宿舎は、木造二階建てで、生徒の入居用として十部屋分を確保。このほか、食堂や洗濯室などを設ける。完成は九月下旬から十月を予定している。

　宿舎完成後には、町が本年度から新たに推進している「広尾高校生徒下宿等費助成事業」で、町外から遠距離通学する生徒を対象に、食事代を除く、部屋代として上限五万円を助成する。

　えりも町などの遠距離から通学する生徒にも部活動などに取り組める時間を確保するとともに、今後、町外から入学する生徒にも充実した学校生活を送ってもらうことをねらう。

　五月十八日には、現地で地鎮祭を執り行った。畑下茂社長、皆添校長をはじめ、関係者約二十人が参列し、工事を無事に終えられるよう祈願した。

畑下社長はあいさつで、「子どもたちの健やかな成長のためにも、広尾高を貴重な教育の場としたい」との思いを語った。

　皆添校長は「私財を投げ打って、本校存続のために学生下宿を建設していただける地元企業があるということは大変ありがたく、感謝の気持ちでいっぱい。地元の中学生から選ばれる魅力ある学校づくりにまい進しなければならない責任の重さをひしひしと感じる」と話していた。

(学校 2017-06-01付)