札幌市教委が研究開発事業全体会 推進上のポイント再確認 課題探究的な学習、小中一貫教育(市町村 2017-06-06付)
研究推進校の実務担当者等が参加し事業への理解を深めた
札幌市教委は二日、市内ちえりあで、二十九年度札幌市研究開発事業の全体会および第一回研究協議会を開いた。研究推進校の実務担当者などが出席。事業の趣旨や研究の進め方について説明したほか、研究課題ごとに意見交流を行った。
同事業では、学校教育の今日的な課題などについて、学校および教職員、有識者等とともに実践的研究を実施。その研究成果や検証結果などについて普及・啓発し、札幌市の学校教育の改善・充実に資することを目的としている。
冒頭、廣川雅之教育課程担当課長があいさつ。事業の趣旨や研究課題の概要等にふれたほか、各研究課題に、「課題探究的な学習の推進」「小中一貫教育の視点での校種間連携の推進」を共通の研究視点として位置付け、充実を図るよう求めた。
また、これまでの研究に参加した学校からの感想を紹介したほか、学校教育の充実に向け、「それぞれの研究を深めてほしい」と話した。
続いて、牧野宣英義務教育担当係長が事業の趣旨などについて説明。本年度の十三の研究課題を紹介したほか、同事業の取組の成果を、研究推進校などが積極的に発信していくことを求めた。
また、高橋健一義務教育担当係長と山下敦史義務教育担当係長が、全課題共通の研究視点「課題探究的な学習」「小中一貫教育の視点」の二点について説明した。
高橋係長は、課題探究的な学習について、「子どもの学ぶ力を高めるために児童の実態・発達の段階を踏まえながら自ら疑問や課題をもち、主体的に解決する学習」と説明。次期学習指導要領で示された①主体的な学び②対話的な学び③深い学び―の三つの視点をもって研究や授業改善を行っていくことを求めた。
続いて、山下係長が「小中一貫教育の視点」について、「小・中学校が目指す子ども像を共有し、九年間を通じた教育課程を編成する系統的な教育」と説明した。
小・中学校におけるそれぞれの強みなどを、「尊重し合い、互いの教育活動について、よく理解し合うことで子どもたちの九年間の学びは一層充実したものになる」と述べ、小中一貫教育の視点を取り入れた研究の推進を呼びかけた。
また、札幌市教委として、本年度、有識者等とともに、市における小中一貫教育の在り方について検討する方針も示した。
全体会終了後は、研究課題ごとに趣旨説明や意見交流を行った。
(市町村 2017-06-06付)
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