教職員の協力を高める学校づくり〈Ｎｏ．３〉　主体的意見、交流する場に　学校における各種会議

（教職員の協力を高める学校づくり 2017-06-07付）

会議のルール（クリックすると拡大表示されます）

　教職員が協力して教育活動を進めるためには、学校づくりへの主体的な参加意欲を高める工夫が必要です。学校における各種会議は、校長の補助機関であり、教職員から幅広く意見を聞き、学校が進むべき方向を判断する機会です。しかし、昨今聞かれるのは、「職員会議の発言が少ない」「会議が形骸化している」などです。

　校長が会議で期待することは、幅広い意見とともに学校経営への参画意識であり、発言が少ないことや形骸化していることは、「教職員は、本当にその趣旨を理解しているのだろうか」「教職員の協力関係は大丈夫だろうか」など不安になります。

　無論、特定の考えにこだわる反対のための反対の意見は、学校が進むべき方向のための意見ではなく建設的ではありませんが、教職員の主体的参加を促すため、つぎのような工夫をしてみてはどうでしょうか。

◆ルールづくりとグループ協議

　会議は個人的な郷愁や感情を発露する場ではなく、出された提案を吟味もせずいたずらに否定する場でもありません。また、特定の教職員だけの発言の場でもありません。教職員全員の総意によって、子どもたちのためのよりよい教育活動を検討する場です。

　効率よく円滑に会議を進めるための、一例を紹介します＝表参照＝。

　つぎに会議に参加した教職員の満足は、自分の意見が言える場があることです。また、意見を述べることを通して主体的な参加意欲が高まり、互いの考えを理解し教職員の協力性が高められます。そこで会議の内容によって、数名のグループで協議する場面を設けてはどうでしょうか。

　グループ協議の進め方の例として、検討課題を明示し四人から六人のインフォーマルグループ（一度きりのグループで、能動的な話し合いを実現することが目的です）によって、メンバーのコミュニティーを築きながら全員が公平に意見を述べ協議することを前提に協議時間を決めて話し合い、その後、グループとしての意見を全体発表し交流する方法です。

　この方法は物事の決めごとよりも教育の歩み方などを交流し、共通認識をもつための会議や研修の機会に有効です。また、生徒指導研修会や体育大会（運動会）や学校祭（学芸会）は、バズ＝グループ（仲間の意見を知り、グループとしての意見を述べることが目的）を編成し学年や分掌ごとに座ることによって、グループとしての意見が出しやすくなります。

（社会福祉法人恵友会監査室長・北海道医療大学非常勤講師・石垣則昭）

(教職員の協力を高める学校づくり 2017-06-07付)