教職員の協力を高める学校づくり〈NO8〉 学校リーダーの仕事の依頼方法 貢献意識を高める説明必要
(教職員の協力を高める学校づくり 2018-01-29付)

 校長、教頭を含め主任など学校リーダーとして活動する方の中に、教職員に「任せた」「責任は私が取る」とよく言われる方がいますが、思わしくない結果になると、失敗に対して自分が前面に出て責任を取ろうとする態度をみせるわけでもなく、そればかりか「信用していたのに」と教職員を非難する方がいます。

教職員にとってみれば、「任せた」「責任は私が取る」と言われても、結局は自分が責任を取らせられるのだからと思い学校リーダーを信頼しなくなり、教職員の協力を高める学校づくりを遠ざけることになります。

また「任せた」「責任は私が取る」と言いながらも仕事の進捗状況を把握するため、頻繁に担当の職員を呼び出し聞くのは「結局口では任せるというけれど信用してはいないのでは」という印象を持たせてしまいます。

「任せた」「責任は私が取る」という言葉の裏には、安心感と信頼をもたせるねらいがありますが、その言葉を発する前に部下職員の状況の把握と、取り組んでもらう内容を適切に理解しておかなければなりません。そのためには、ほかの教職員の話から得た間接的な情報ばかりで判断することなく、直接対面し教育活動に対する考え方や様々な情報を得ることが大切です。

 「任せた」「責任は私が取る」という言葉は、確かにカッコいい言葉ですし、大物の印象を受けますが、本当の意味で責任を取る覚悟がなければ安易に言ってはならない切り札ともいえる言葉です。

 学校リーダーからの仕事の依頼方法ですが、人の生きがいや幸福感の本質は組織や誰かのために役立っているという貢献感であり、その意識を高めさせることが重要です。

 学校や子どもたちのために役立っている貢献感を高めるためには、日ごろからのコミュニケーションが重要です。私が述べるコミュニケーションとは、単に雑談をする関係だけではなく、教育活動について感じていることや思うこと、さらには自分が頑張りたいこと、不安に思っていることなどを受け入れる関係であり、校長、教頭、主任は私を分かってくれているという思いをもたせることです。

 このような関係が十分であれば、仕事の依頼を受け入れやすい関係ができているといえます。

 具体的に説明しますと、最初に日ごろの教育活動にみられるポジティブなメッセージを述べ「この仕事はぜひ、○○さんにお願いしたい、その訳は日ごろの○○さんの仕事ぶりや、私と話をしたとき、これから学校をどう築いていくべきかを話してくれたことにあります」と説明し、つぎに「この仕事を○○さんが受けてくれることによって、学校はこのようによくなります」と述べ、相手の意見を受け入れます。すると「私でいいのでしょうか、私にできるのでしょうか、自信がないのです」というのが一般的ですが、この場合「○○さんが受けてくれるとすれば、私ができることや、協力体制をどのように望みますか」と聞き、相手の発言を誘い、協力体制について具体的に協議します。そのあと、いつまでに何をするのかなどを決め、実施に向けてのプランを協議します。最後に、質問がある場合や行き詰まったときなどの対処法を説明し、仕事を受けてくれたお礼と励ましを述べ終了します。

(北海道医療大学非常勤講師・石垣則昭)

(教職員の協力を高める学校づくり 2018-01-29付)

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