教職員の協力を高める学校づくり〈No.13〉 経営案は職員間で共有化を 活動のねらいと振り返りも大切に(教職員の協力を高める学校づくり 2018-04-04付)
三十年度の教育活動が、教職員の活気にあふれた姿と、はつらつとして登校してくる児童生徒によってスタートしました。四月は出会いの月であり、新たなスタートの時です。
教育活動は前年度の活動の反省を踏まえ、校長、事務長、副校長、教頭、教職員が願う児童や生徒像、業務像を描き、教育活動が円滑に進むよう時間をかけて作成した学校経営案や学校経営方針によって進められます。しかし、学校経営案や学校経営方針は一年を通じてどのように活用されているのでしょうか。
残念ながら、年度当初の職員会議にて発表、冊子化することが目的になっている学校を多く目にしています。
経営案は作成段階から、教職員と管理職、教職員相互の共有化を図り、合意に基づいた内容でなければ実践は難しくなります。当然、年間を通じて検証の機会が重要です。つまり、学校教育目標の具現のため、年度の学校経営方針に沿い教育活動が進められているのか、そうでないとするならば、どう見直しを図り実践するべきか、いわば学校経営案や学校経営方針は学校にとっての屋台骨です。教職員相互の共有化によって合意形成を図り、日常の教育活動に生きて働く学校経営案や学校経営方針づくりの作成方法は、十二月ころ本コラムにて説明します。
つぎに、四月当初に教職員とともに確認しなければならない内容の一つに、様々な教育活動のねらいと振り返り(反省)があります。
学校行事では、「児童生徒が一生懸命やっていたから…」など教師の自己満足で終えてはなりません。特に「何をするのか」に目が行きがちですが、何をするのか(活動)は、ねらいを達成する手段であり、目的ではありません。願う児童生徒像を明らかにしながら、ねらいにかなう活動にしなければなりません。
また、活動したままではなく、ねらいに対する評価、つまり振り返り(反省)を行うことによって、以降の教育活動の改善につなげなければなりません。
学校では、ややもすると忙しさのため、ねらいと振り返り(反省)が形骸化される傾向にあります。
ある高校は、活動のねらいや内容と同時に振り返り(反省)の内容を提示し、その内容に沿って活動を進めやすくするなど工夫しています。
学校の教育は連続性の中で行われます。ねらいと振り返り(反省)を大切に進め課題意識をもちながら、児童、生徒にとってよりよい教育活動を進めることができるよう年度当初の今、職員間で確認したいものです。
さらに教育活動をどう進めるのか、ガイダンスが必要です。ガイダンスとは、個人が自分自身についての理解を深め、自主的に問題解決を行い望ましい形で活動に参加ができるように、種々の援助を与えることです。
学校では、授業や学級、部活動、生徒指導など様々な場面で児童生徒が適応できるよう、発達段階に応じてガイダンスを行うことが求められます。
教科指導では、教科の特性によってガイダンスの内容に違いが生じますが、可能な範囲でどの教科も共通に説明する内容を児童生徒の側に立って作成し、根拠を明確にしながら説明することが望まれます。
(北海道医療大学非常勤講師・石垣則昭)
(教職員の協力を高める学校づくり 2018-04-04付)
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