釧路商業高「楽天IT学校」　ネットショップ運営に挑戦　年８回授業　企画～販売を実践

（学校 2017-06-09付）

１回目の授業では、楽天などから講師が来校し、ネット販売のポイントを伝えた

　【釧路発】釧路商業高校（小笠原茂美校長）は、楽天㈱による実践型ネットビジネス授業「楽天IT学校」に取り組んでいる。地元企業が運営するネットショップ「くしろキッチン」とも連携し、三年生流通経済科の生徒四十人が、ネット販売を通して、ネットショップ運営について学習。来年一月の「楽天IT学校甲子園」への出場に向けて、全八回の授業を展開する。

　楽天IT学校は、ネットショップ運営体験を通じ、実践的な電子商取引を学ぶことができる授業で、ネットショッピングモール「楽天市場」の店舗運営ノウハウを高校生向けにアレンジしたもの。本年度は、全国で六十校が取り組んでおり、道内では唯一、同校が参加している。

　実践を通じてネットショップ運営の基礎や可能性を知り、商品を売る難しさや働くことの大切さを学ぶことをねらう。

　生徒は五つのグループに分かれ、ネット販売戦略の立案、販売ページ作成、商品企画、楽天市場での販売を実践。楽天とくしろキッチンのスタッフが講師となって、年八回の授業を展開する。

　優秀なグループは、来年一月の楽天IT学校甲子園に出場し、全国の代表グループとともにプレゼンテーションを行う。

　一日に行った一回目の授業では、楽天のプラットフォームエンジニア・粟田啓介氏、くしろキッチン運営責任者の丹葉光宏氏が講師を務めた。

　丹葉氏はネット上で道内の特産品を仕入れて販売していることを話し、分かりやすく価値を理解してもらうために商品ページを工夫していることを伝えた。

　粟田氏は「月に一千万円以上売れるものもある。何を売るかよりもどう売るかの視点で考えて」「ほしくない人を、ほしい人に変えることが大切。手にする幸せがあり、手にすることで新たな生活が生まれるから買ってもらえる」とアドバイスした。

　ものの価値を伝える練習も実践的に体験させ、「架空の男性の友人をある女性に紹介してアピールする」ペアワーク、「一万三千円のハンバーガーをどうやって売るか」についてのグループディスカッションなどを行った。

　同校進路指導部の井川敬教諭は「商品のＰＲ手法などについて関心をもってもらい、自分で行動できる人になってくれれば」と期待していた。

(学校 2017-06-09付)