取組の成果、課題を共有　推進事業運営会議開く―道教委

（道・道教委 2017-10-13付）

協力地域の教育委員会、協力校の管理職ら約３０人が参加した

　道教委は十一日、札幌市内の道第二水産ビルで道「小中一貫教育推進事業」運営会議を開いた。協力地域の教育委員会担当者、協力校の管理職ら約三十人が参加し、取組の実施状況、成果と課題、今後の取組について説明を受けた。参加者からは「乗り入れ授業は、中学校に進学したとき、大きなプラスになる先行投資であることが共有できた」「学校で身に付けたい力を明確にして地域に説明し、理解と協力を得ることが重要」などの意見が挙がった。

　本道の小中一貫教育導入・推進の方向性について共通理解を図るとともに、事業のこれまでの成果と課題を踏まえ、今後の取組内容を明確にするもの。

　協力地域の市町教委の担当者および所管教育局の指導主事、協力小・中学校の管理職ら約三十人が参加した。

　開会に当たり、義務教育課の波岸克泰課長があいさつ。本年度全国学力・学習状況調査の質問紙調査で、小・中学校合同の研修や教育目標の共有等を「よく行った」と回答した学校の割合が全国平均を下回っている状況であることなどを踏まえ、あらためて事業の成果を普及させ、本道の小中一貫教育の充実に取り組む必要性を指摘した。

　作成に向けて準備を進めている『北海道における小中一貫教育について』『小中一貫教育に関するＱ＆Ａ』については「今後、小中一貫教育を導入予定の自治体、推進上の課題を抱える自治体や学校に役立てるようまとめている。これを全道に発信していきたい」と述べ、きたんのない意見を求めた。

　続いて、事業の協力地域である白糠町、中標津町、当別町、旭川市の各教委、協力校の校長・教頭が取組の実施状況、成果と課題、今後の取組について説明。意見交換で旭川市立旭川小学校の古髙誠志校長は「進学のために中学校で身に付けるべき学習内容を小学校の教員が知ることで、授業の工夫の検討や中学校教員との交流が行われるなど、徐々に意識が変わっていった」と述べた。

　当別町立西当別小学校の山谷潤教頭は「板書の工夫、ノートの書き取り、書いて考える力の育成、話し合い活動の充実を統一して行ったことが、大きな成果を挙げた」と報告。白糠町立茶路小中学校の鈴木紳一校長は「当初は乗り入れ授業への負担感があったが、中学校に進学したときに大きなプラスになる先行投資であることが共有できた」とした。

　このほか、「様々な教員がいるので摩擦もある。〝子どものため〟という視点が何よりも大切」「学校で身に付けたい力を明確にして地域に説明し、理解と協力を得ることが重要」などの意見が挙がった。

(道・道教委 2017-10-13付)