道徳教育パワーアップ研究協議会道東会場　考え、議論する授業理解　道教委が説明、演習、講演

（道・道教委 2017-10-17付）

赤堀氏は具体的事例を用いて講演した

　【釧路発】道教委は十三日、釧路センチュリーキャッスルホテルで道徳教育パワーアップ研究協議会（道東会場）を開いた。釧路・根室・十勝管内から約百人が参加。演習や協議、講演などを通して、考え、議論する道徳授業の在り方について理解を深めた。

　最初に道教委義務教育課の丸山敏儀指導主事が北海道の道徳教育の現状と課題を説明したあと、旭川市立東五条小学校の山本浩貴教諭が「〝考え、議論する道徳〟の授業づくり」と題して、演習を実施。参加者はグループごとに協議したあと、ほかのグループと意見を交流した。

　後半は「道徳科の実施に向けた授業改善と評価」をテーマに帝京大学大学院教職研究科教授で前文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の赤堀博行氏が講演を行った。

　赤堀氏は十二年の教育改革国民会議報告、十九年の教育再生会議などから道徳の教科化が求められる背景を説明し「道徳教育を進めるためには学校が主体的に子どもの実態や地域の実情など様々な事項を的確に把握し、育てたい子ども像を明らかにして目標を設定し、計画を立てて教職員が共通理解、共通実践できるようにすべき」と強調。

　そのため「学校のカリキュラム・マネジメント力や組織力、校長のリーダーシップが大切となる」と説いた。

　また、発達の段階に応じて、答えが一つではない道徳的な課題を一人ひとりの児童生徒が自分自身の問題としてとらえ、向き合う「考える道徳」「議論する道徳」へと転換を図る必要性を示し、学習指導要領について説明。

　「自己の生き方を考える」「主体的な判断のもと行動し、自立した人間として他者とともによりよく生きる」「道徳的価値についての理解」「物事を多面的・多角的に考える」などのキーワードを挙げながら、具体的事例を用いて分かりやすく解説した。

　考え、議論する道徳授業については、子どもが自らを振り返って成長を実感できるように工夫すること、今後の課題や目標を見つけられるよう工夫することの大切さを示した。

(道・道教委 2017-10-17付)