道科学大が民間5社と協定 「下水熱」で路面融雪を クリーンエネルギーの実用化へ
(学校 2017-11-01付)

道科学大民間と協定
共同研究を行う同大の苫米地学長(中央右)と5社の代表

 北海道科学大学(苫米地司学長)は、伊藤組土建㈱(札幌、玉木勝美社長)をはじめとする五企業と「下水熱を利用した路面融雪システム」の実証実験をスタートする。十月二十七日に共同実証実験に関する協定を締結した。年間を通し安定している下水の熱を利用し、ロードヒーティングなどを行うシステムを開発するもので、三十二年の実用化を目指す。既存エネルギーを活用したエコでクリーンな事業として注目が集まりそうだ。

 下水の水温は大気に比べ、年間を通して安定しており、冬は暖かく夏は冷たい特質がある。下水熱を生かした路面融雪は新潟県新潟市などで導入され効果が実証されているが、より気象条件の厳しい北海道での実用化を伊藤組土建など五社と同大が「さっぽろ下水熱利用研究会」を組織し実証実験する。

 十月二十七日には、代表企業の伊藤組土建と同大が、共同で実証実験に取り組むとした協定書に調印。

 各社の代表や同大幹部計二十一人が出席した調印式では、苫米地学長があいさつ。「全国にも増して少子高齢化が進む北海道では、新しい技術をどんどん開発し、新しい産業をつくっていかなければいけない」「本学はことし開学五十年。様々な積雪寒冷技術の蓄積がある。今回の協定を機に、これまで以上に多方面に協力できるようアピールしていきたい」との考えを語った。

 また、「企業の方と教員や学生が一緒に研究活動を行い、そこに携わった学生がその企業に就職できるという循環をつくりたい」とのビジョンも示し「北海道の発展に貢献できるような新しいものを、皆さんと一緒に創造していきたい」と抱負を語った。

 同研究会は今後、同大構内の二ヵ所に実証実験施設を建設し、十二月上旬に実験開始。各社のもつ下水熱回収技術と同大のもつ寒地寒冷技術を活用しながら、システム性能や融雪効果、コストなどを検証。また、今後の導入個所の検討やシステムの設計、維持管理などについても検討する。

 期間は三十二年三月までの三ヵ年。アドバイザーに札幌市下水道資源公社を迎え、産官学による共同研究として推進する。

(学校 2017-11-01付)

その他の記事( 学校)

そば打ち全国優勝を報告 幌加内高が柴田教育長訪問

幌加内高教育長訪問そば打ち  第七回全国高校生そば打ち選手権大会の団体・個人両部門で優勝に輝いた幌加内高校(永山鑑造校長)の三年生二人は一日、道教委を訪れ、柴田達夫教育長に全国制覇の喜びを報告した。団体戦を優勝に導いた...

(2017-11-06)  全て読む

帯広工業高が現場見学会に参加 橋梁工事のスケール体感 社会資本整備の大切さ学ぶ

帯広工業高現場見学会に参加  【帯広発】帯広工業高校(金谷秀幸校長)の生徒、教諭約八十人は十月二十四日、建設企業・旭イノベックス㈱主催の現場見学会に参加した。陸別町小利別地区で建設を進めている橋梁の上部工事を見学。生徒...

(2017-11-06)  全て読む

札幌市教委 市立高プレゼン大会の実行委 11月中旬の設立を予定 生徒参加し魅力的な大会目指す

 札幌市教委は「市立高校プレゼンテーション大会」の実行委員会を十一月中旬に設立する予定だ。来年三月に開くこの大会は、参加を希望した生徒が学習活動などの成果を発表するもの。委員には市教委や市立...

(2017-11-02)  全て読む

稚内高2年生がインターンシップ 建設現場で測量実習など 有意義な学習の機会に

稚内高インターンシップ  【稚内発】稚内高校(元紺谷尊広校長)の二年生百五十二人は十月二十四日から三日間、稚内市内の建設企業などでインターンシップを行った。うち五人が市内などの建設工事現場を見学。現場で働く人たちと...

(2017-11-01)  全て読む

当別高家政科生徒開発給食メニュー 西当別中で試食会 地域の食材ふんだんに 異校種交流で郷土のよさ確認 町教委と連携図り本庄教育長も試食

当別高メニュー開発・上  当別高校(田村俊行校長)は十月二十四日、当別町立西当別中学校で家政科生徒が開発した給食の試食会を開いた。両校の生徒、当別町教委の本庄幸賢教育長、石狩教育局の柴田亨教育支援課長などが参加。地...

(2017-11-01)  全て読む

札幌市立柏中70周年記念式典 より質の高い歴史つくろう 学年・学級別の合唱発表も

実践発表会・柏中  札幌市立柏中学校(蛯名嘉津夫校長)の開校七十周年記念合唱会・記念式典が二十四日、札幌コンサートホールKitaraで挙行された。全校生徒や関係者合わせて約一千人が出席。これまでの歩みを振り返...

(2017-10-31)  全て読む

札幌東高が110周年記念講演会 東高での学びは宝物 OBのNHK・福井アナ招く

東高110周年記念講演  札幌東高校(後藤哲校長)の創立百十周年記念講演会が二十五日、同校で開かれた。全日制、定時制の全校生徒や教職員、歴代校長、歴代PTA会長など、合わせて一千二百人が出席。記念講演会や表彰を通し...

(2017-10-31)  全て読む

札幌市教委 地域密着型教育啓発事業の本年度実施校 小中合わせ15校を指定 ネット利用ルール策定など

 札幌市教委は地域密着型教育啓発事業の本年度実施校を決定した。小・中学校合わせて十五校を指定。安全なインターネット利用に向け、地域におけるルールを策定するほか、研修会を実施する。  この事...

(2017-10-27)  全て読む

旭川工業高建築科1年生 当麻町新庁舎建設現場を見学 建設業のスケール体感

旭川工業高現場見学会  【旭川発】旭川工業高校(小幡圭二校長)建築科一年生四十人は二十三日、旭川建設業協会(川島崇則会長)の建築委員会が主催する現場見学会に参加した。当麻町役場新庁舎建設買取事業の工事現場を見学。...

(2017-10-25)  全て読む

東川高1・2年生18人所属 国際交流クラブを設立 日本語学校との交流など

 【旭川発】東川高校(渡辺文貴校長)は、東川町の教育資源を活用して生徒たちに国際交流の機会を提供するために「国際交流クラブ」を立ち上げた。一・二年生十八人が所属。来年二月までを活動期間とし、...

(2017-10-25)  全て読む