生徒とともにある学校へ　日体大附属高等支援が開校式典

（学校 2017-11-30付）

約１４０人が新たな門出を祝った

　【網走発】全国初のスポーツ教育を主軸とした特別支援学校として、ことし四月に開校した日本体育大学附属高等支援学校（島崎洋二校長）は十九日、同校で開校式典を執り行った。全校生徒や保護者、関係者など約百四十人が出席し、新たな門出を祝った。島崎校長は「生徒とともに汗をかき、知恵を出し合い、よい学校にしていきたい」と意気込みを語った。

　同校は、知的障がいのある男子生徒を対象とした全寮制の特別支援学校。本年度は一期生として十九人の生徒を迎え、体育、部活動を通してたくましい体と健やかな心を育む「スポーツ教育」、作業学習、就労実習を通して働くことの楽しさと尊さを培う「労作教育」、芸術、ダンスなど様々な学習を通して豊かな感性を養う「情操教育」の三つを柱に、生徒一人ひとりの人権を尊重しながら、障がいの特性に応じた専門的な教育を展開している。

　開校式典では、日本体育大の松浪健四郎理事長があいさつ。関係者に対し、開校への理解と協力に対する謝意を示すとともに「多くの国民の皆さんに評価してもらえるような学校にすべく、我々は努力を怠ってはならない」と強調。「きょうスタートを切ったという自覚をもち、精進していきたい」と意気込んだ。

　来賓あいさつでは、江崎鐵磨内閣府特命担当大臣、武部新衆議院議員、文部科学省の高橋道和初等中等教育局長、高橋はるみ知事、網走市の水谷洋一市長が登壇。そのうち、江崎特命担当大臣は、日本の特別支援教育が欧米諸国と比べ、未熟な部分があることを指摘した上で「北海道の大自然の中で、将来社会で活躍する障がい者を教育することは、全国の特別支援教育のモデルケースとなるのでは」と期待した。

　続いて、島崎校長が謝辞。開校までの流れを振り返り「特別支援教育に対する皆さんの深い理解と支援のたまもの」と感謝。「生徒が卒業するときに〝この学校に来てよかった〟と実感してもらえるよう、生徒とともに汗をかき、知恵を出し合い、よい学校にしていきたい」と決意を表した。

　このあと、生徒代表が喜びの言葉を述べたほか、校歌を斉唱した。

　式典後には、同校の屋内走路の内覧会を行ったほか、網走市総合体育館を会場に、開校記念事業として日本体育大の学生が集団行動を披露した。

(学校 2017-11-30付)