釧路鶴野支援が高等部公開研・地域連携研開く　教科など横断した指導を　特総研・武富総括研究員講演

（学校 2017-12-05付）

武富総括研究員は新学習指導要領のポイントなどについて解説した

　【釧路発】釧路鶴野支援学校（小原雅浩校長）は十一月三十日、同校で高等部公開研究会・地域連携研修会を開いた。約七十人が参加。授業公開や講演会などを通して、育てたい力を意識した授業づくりについて考えを深めた。

　研究テーマは「一人一人の社会自立を目指した教育課程の編成～〝育てたい力〟を意識した授業づくりの実践」。教育課程における現場実習の位置付けを明確にし、体験的な学習の成果や課題を生かした授業実践によって、生徒一人ひとりの社会自立を目指した教育課程の編成につながると考え、研究を進めてきた。

　三ヵ年研究のまとめの年となる本年度は、学年ごとに総合的な学習の時間の活動内容を検討するとともに、各教科との関連指導における内容を整理。高等部全体で教育課程における現場実習の位置付けについても検討してきた。

　当日は、三年生の総合的な学習の時間と一年生の数学の授業を公開したほか、分科会を実施。また、国立特別支援教育総合研究所の武富博文総括研究員が「子どもたちが自己の目標を探求し、未来を切り拓くための教育課程を目指して～次期学習指導要領を踏まえて」と題し講演した。

　武富総括研究員は中央教育審議会答申、学習指導要領改訂の動きについて「個別の教育支援計画、個別の指導計画に医療、労働などの側面を明記し、関係機関との協議を通してネットワークをつくってほしい」「各教科等を横断した指導によって一人の人間像を描いて」と小・中・高等部の十二年間の学びをつなげる大切さを指摘した。

　新学習指導要領のポイントでは、教育内容等の改善事項として「言語能力の確実な育成」「情報活用能力の育成」「理数教育の充実」などを挙げた。言語能力については「意見と根拠、具体と抽象を押さえて考えるなど、情報を正確に理解し適切に表現する力を育てて」「実験レポートの作成、立場や根拠を明確にした議論など言語活動を充実させて」とアドバイスした。

(学校 2017-12-05付)