清水町教委 ふるさとに愛着と誇りを 10月から町内全小中学校で チャイム音源“第9”に変更 児童生徒・保護者から好評博す
(学校 2017-12-07付)

  【帯広発】ふるさとに愛着と誇りを―。清水町教委は十月上旬、町内全小中学校におけるチャイムの音源をベートーヴェン作曲の「交響曲第九番」に変更した。まちづくりの基軸の一つとして町民に定着している交響曲第九番を、児童生徒にも理解させ、愛着と誇りをもってもらうことがねらい。音源は従来の部分に〝第九〟のメロディーを加えており、児童生徒・保護者からは「親しみやすい」と好評を博している。

 町は、昭和五十五年にベートーヴェンの交響曲第九番にかかわる演奏会を実施。以来、平成二十二年まで五年ごとに、計七回の演奏会が行われ、現在でも幼児から高校生までが原語である「ドイツ語」で合唱するなど〝第九〟は清水町のまちづくりの基軸の一つとして広く定着している。

 一方で、第一回第九演奏会における合唱団の町民参加割合は七割を占めていたが、人口減少によって、平成二十二年には、三割程度にとどまり、徐々に減少傾向にあった。

 そうした中、二十七年度に、今まで培われてきた清水町の誇りである第九の文化や精神を次世代へ継承していくとともに、多くの町民が第九を身近に感じられるような事業を推進することを目的に「清水町第九文化継承事業」に着手。円滑な推進に向け、町民有志、各学校長などによる清水町第九事業実行委員会を組織し、第九演奏会の歴史などを広く知ってもらう機会として「第九のあゆみ展」を開催した。

 二十八年度には、〝第九〟の浸透を目指してアーティストの藤澤マサノリさんを招へいし「希望の歌~交響曲第九番~復興コンサート」を実施するなど、親しみやすい事業として活動を進めてきた。

 本年度は、農民管弦楽団からの話を受け、演奏会に向けた実行委員会を組織。三十年一月二十八日に、八年ぶりとなる「第九合唱」を行う予定だ。現在、多くの町民を含め、百人を超える合唱団員が毎週、本番に向けて練習に励んでいる。

 町第九事業実行委員会は、事業の発展と振興につながる意見やアイデアを取りまとめ、二十八年一月に町および町教委に要望書を提出。三十項目ほどの提案の一つとして「学校のチャイムを第九に」との意見が出た。

 これを受け町教委は、以前にエレクトーン教室を主宰していた町立御影小学校に在籍する石原芽依さんの保護者・石原淳子さんに作成を依頼。石原さんはこれを快諾し、芽依さんとともに考えた音源を完成させた。

 十月上旬には、音源変更の作業がすべて完了し、町内の小・中学校四校のチャイムの音が切り替わった。〝第九〟のメロディーに従来の「ウエストミンスターの鐘」の部分も取り入れ、児童生徒・保護者からは「親しみやすい」と好評を博している。

 町教委は「幼稚園の発表会や中学校の文化祭、清水高校の合唱祭など、学校行事等で第九合唱は連綿と継続しており、〝第九〟は清水町民のアイデンティティーの一つとして位置付けられている。町民の原風景として日常から第九のメロディーに親しみ、清水町民としての誇りや愛着を育んでもらえれば」と話している。

(学校 2017-12-07付)

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