札幌市円山小で税のモデル授業 租税教育推進協の資料活用 市政と税のかかわり学習
(学校 2017-12-11付)

円山小税のモデル授業
澤田教諭は、市民の願いをかなえるために税金が使われていることを分かりやすく示した

 札幌市立円山小学校(野寺克美校長)で十一月二十九日、札幌地区租税教育推進協議会が作成した資料『くらしを支える税』を活用したモデル授業と意見交換会が行われた。モデル授業では、同校の澤田敦教諭が六年生社会科を指導。児童は市政と税の使い道のかかわりについて学んだ。

 協議会では、市内における租税教育の推進および充実に向けた環境整備を行うことを目的に事業活動を展開。ことし九月には、本年度版の『くらしを支える税~札幌市版』と、教師用指導書『授業ハンドブック』を市内の全小学校に配布している。

 モデル授業では、澤田教諭が六年三組(児童数三八人)の社会科「子育て支援の願いを実現する政治」を指導。本時の目標を「市が児童福祉費を増やし続けている理由についての話し合いを通して、市民の願いを実現するために市政が税金を使って果たす役割を考えることができる」と設定した。

 澤田教諭は、市内の子どもが減少していることを表す図を提示。その上で、秋元克広市長が就任してから、児童福祉費が増え続けていることを示した。

 児童の「なぜ増やしているのか」という疑問を引き出したあと「どうして秋元市長は児童福祉費を増やし続けるのか」と問いかけた。児童福祉費が育児休暇支援などに充てられていることを説明し、問いに対する児童の考えをノートに書かせた。

 全体交流では、児童の「生んだあとの不安材料がなくなる」といった意見を〝子育て支援〟の観点として、子どもを預け、母親が働けるようになることで「税収が増える」「札幌が豊かになる」といった児童の発言を〝経済力〟という観点としてまとめ板書。

 子どもを預けられることなどで、女性が活躍して市が豊かになるという考えのもと、秋元市長が児童福祉費を増やしていることを理解させた。

 市の税金の用途を紹介したあと、市民が力を入れてほしい市政の順位表を掲示。税金は「市民の願いどおり使われているのか、秋元市長の考えだけで使われているのか」と問いかけ、グループ交流させた。

 『くらしを支える税』で紹介されている税金の使い道と、順位表を比較させ、順位表に入っている「除雪に関すること」や「防災対策」などに税金が使われていることを確認。児童の「(市長は)市民の願いをかなえようとしている」という発言を取り上げ、市民の願いをかなえるために税金が使われていることを理解させた。

 授業後は、澤田教諭や税務署職員などで意見交換会を行った。

(学校 2017-12-11付)

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