オリパラ教育実施校の認証　苫小牧中央高が道内初　授業、行事などで取組展開

（学校 2017-12-11付）

　【室蘭発】苫小牧中央高校（山口祐正校長）は、東京二〇二〇教育プログラム「オリンピック・パラリンピック教育実施校」に道内で初めて認証された。同校は今後、プログラムを年間指導計画に位置付け、保健・体育、国語、音楽などの授業や学校行事、体験活動、部活動でオリパラに関連する学習、国際的な視野の向上、障がいのある人への理解を深める取組を展開・発信する。山口校長は「生徒一人ひとりの豊かな国際感覚、思いやりなどを育て、国際人として通用する人材を育てていきたい」としている。

◆東京五輪競技大会組織委員会が主催

　東京二〇二〇教育プログラムは、子どもたちがオリパラやスポーツの価値を学ぶことで将来に向かって成長し「自信と勇気」「多様性の理解」「主体的・積極的な社会参画」の精神を育むもの。東京オリンピック競技大会組織委員会が昨年度から開始した。

　同校は、スポーツコースがある自校の教育方針がプログラムの趣旨と一致していたことから、教育実施校に申請。十月三十日付で認証を受けた。道内第一号の認証校となる。

　同校は今後、プログラムを年間指導計画に位置付け、授業、学校行事、体験活動、部活動などでオリパラに関連した学習や国際的な視野の向上、障がいのある人への理解を深めるための様々な取組を展開する。

　保健・体育では、組織委員会が作成した学習教材を使ってオリパラの価値についての理解を深めるとともに、オリパラ種目を取り入れた実技を取り入れる。また、体育大会の競技種目としても取り扱う。

　国語では「世界の言葉でつながろう」をテーマとする国際理解学習を実施。九ヵ国別に担当グループを決め、簡単な言葉、特色、国旗などを調査する。共通の単語などについて情報を交換し、数ヵ国語のオリジナル辞書を作成する授業を行う。

　音楽では、過去の大会の開会式や表彰式における各国の国歌を鑑賞し、世界の音楽に親しむ授業を実施。　

　理科では、オリンピックと環境問題の関係を学ぶことで、自分たちにできる環境対策を考え、行動に移していく。

　部活動では、オリパラの価値やスポーツの価値を全道各地の高校、苫小牧市内と近隣中学校との交流を通して積極的に発信する。

　奉仕活動では、オリパラを支えるボランティアの仕事を調べることで、同校が毎年取り組んでいる地域清掃活動の意義を確認するなどして、一層の活動推進を目指す。

　このほか、来年一月二十五日、バンクーバーパラリンピック・アイススレッジホッケー銀メダリストの永瀬充氏が来校し、講演会を実施する予定。

　山口校長は「取組を通して、生徒一人ひとりの豊かな国際感覚、思いやり、フェアプレーの精神、多様性の尊重などの価値を育て、国際人として通用する人材を育てていきたい」と話している。

(学校 2017-12-11付)