斜里高がESD研究協議会開く 研究実践の改善・充実へ 観光情報・英語の授業公開(学校 2017-12-14付)
観光情報では、CM作成に向けたポイントを理解させた
【網走発】斜里高校(中谷晋二校長)は十一月下旬、同校で国立教育政策研究所「教育課程研究指定校事業(ESD)」に伴う研究協議会を開いた。助言者に国研教育課程研究センターの藤枝秀樹教育課程調査官・学力調査官と道教委高校教育課普通教育指導グループの石田暁指導主事を招き、研究授業二授業を公開。特色ある教育活動の充実に向け研鑚を積んだ。
同校は、ESD(持続可能な開発のための教育)を実践する学校として、二十三年度にユネスコスクールの認定を受け、「世界自然遺産・知床」をはじめとする地域の豊かな自然をフィールドとした環境学習や、オホーツク文化などの特色ある歴史・文化を素材とした地域学習などに取り組んでいる。二十七年度からは、国研の教育課程研究指定校事業指定校としてESDに関する研究を進めている。
この日、二年「観光情報」と三年「観光英語」の研究授業を公開した。
観光情報では、橋口友和教諭が「観光CM(知床斜里の魅力)を作成しよう!」の単元を指導。本時は十四時間扱いの一時間目として、CM作成に向けてインバウンドや外国人観光客のニーズについて理解させる授業を展開した。
橋口教諭は、東京五輪を見据えて外国人観光客を呼び込むインバウンドの動きの重要性を説明し、PRへの目的意識をもたせた。また、知床斜里では、外国人観光客が日本を楽しむポイント「文化」「神社・仏閣」「景観」「食」のうち、景観と食に恵まれていることなどを紹介。知床斜里の魅力について認識させ、PRポイントを明確化。最後に、様々な自治体が作成したPR動画を紹介し、イメージを膨らませた。
観光英語では、赤井美穂教諭がロールプレイを通して、ホテルでのチェックイン・チェックアウトで使用する表現を身に付けさせる授業を展開した。教科書を音読し、発音を確認したあと、三人一組のグループに分かれてロールプレイを開始。フロントスタッフ、ゲスト、観察役をローテーションしながら英語でのコミュニケーションを図った。その際、グループごとに評価の観点を考えさせ、それに基づいて相互評価を行わせることで、自らその観点を意識した表現ができるようにした。
◆付けたい力明確に 国研・藤枝調査官
授業後に行われた研究協議では、藤枝調査官と石田指導主事が研究授業について助言。藤枝調査官は「子どもたちにどのような力を身に付けさせたいのかを明確にすること、その力が身に付いたかを評価する方法をしっかりとデザインすることが大事」とした上で、橋口教諭の授業について「教師が伝えたいことを生徒に気づかせる授業を」、赤井教諭の授業について「教科書を暗唱させるのではなく、何とか伝えようとする姿勢を身に付けさせることがコミュニケーションの力になる」と講評した。
石田指導主事は、橋口教諭の授業について「生徒に考えさせたり、言語化させたりする活動をさらに重視してもらえれば」、赤井教諭の授業について「他の場面でも活用できるよう、汎用性を高める工夫を」と評価した。
このあと、藤枝調査官が「これからの学校教育を考える(学習指導要領改訂を受けて)」と題して講演した。
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観光英語では、ロールプレイを通してコミュニケーション能力の育成を図った
(学校 2017-12-14付)
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